日銀と欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行、スイス国立銀行の4中央銀行は15日、
米連邦準備理事会(FRB)と連携し、各国・地域の金融機関を対象に、
期間3カ月の年末越えのドル資金供給を実施すると発表した。
欧州の財政不安を受けて、金融市場では金融機関のドル調達への懸念が高まっている。
新たな資金供給手段を打ち出すことで、年末の金融システムの安定に万全を期すことにした。
日米欧の主要中銀がドル資金供給の強化で協調するのは、
ドル建ての銀行間取引金利が上昇するなど、金融機関のドルの資金繰りが厳しくなっているため。
特に長めのドル資金は確保しにくくなっており、金融市場が安定しない原因にもなっていた。
年末越えの資金供給はそれぞれ10月に第1回を実施する。
これまで欧州の3中央銀行は期間1週間のドル資金供給しか実施してこなかった。
3カ月という長めのドル資金を供給することで、市場参加者に安心感を与え、
相場が荒れがちな年末の市場の安定を図る。
日銀はこれまでも3カ月物のドル資金供給を実施してきたが、
従来の日程によると、年末越えの資金供給は11月に予定していた。
欧州3中銀に合わせて10月に年末越えの資金供給を追加実施することで、
協調姿勢を打ち出すことにした。
2008年秋のリーマン・ショック後、日米欧の中銀は「通貨スワップ協定」を結び、
協調してドル資金の供給を実施してきた。
各中銀は今年6月、同協定を来年8月1日まで延長することで合意していた。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819591E3E7E2E09E8DE3E7E2EBE0E2E3E39F9FEAE2E2E2