【サンパウロ=檀上誠】ブラジル鉄鋼大手のナショナル製鉄(CSN)が、
新日本製鉄傘下のブラジル鉄鋼メーカー、ウジミナスに対し、
同社の発行済み株式の26%分の買い取り提案をしたことが明らかになった。
買い取りが成立するとCSNは既に市場で買い集めた株式と合わせ、新日鉄を抜いて筆頭株主となる。
CSNが提案しているのは、ブラジル建設大手のカマルゴ・コレア、
セメント大手のボトランチンが持つウジミナスへの出資分。
カマルゴ・コレアなどは28%弱を出資する新日鉄と株主協定を結び、
共同でウジミナスの経営にあたってきた。
ウジミナス株を売却する場合は新日鉄に優先交渉権がある。
新日鉄がウジミナスの経営権を維持するためには2社の保有株を買い取る必要がある。
株式の総額は市場価格で2000億円規模とみられる。
新日鉄も状況を把握しているとみられるが「個別案件にはコメントしない」としている。
CSNは昨年から市場でウジミナス株を買い集め、現在は議決権ベースで11.3%の株式を保有している。
CSNは同国鉄鋼4位で建設向けの条鋼などを得意とする。
同3位で自動車用鋼板などを得意とするウジミナスを取り込み国内での基盤を固める狙いとみられる。
新日鉄はCSNを巡り、鉄鉱山ナミザの経営を巡って対立し、ナミザ株を売却した経緯がある。
このためCSNとともにウジミナスを共同経営する可能性は低いとみられ、
ブラジルでは新日鉄が同国鉄鋼首位のゲルダウと連携して株式を買い取る可能性も取りざたされている。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E2EAE29FEB8DE2EAE2EBE0E2E3E38698E2E2E2E2