産業用刃物などを製造する東洋刃物は12月をメドに、
東日本大震災による津波で操業停止中の多賀城工場(宮城県多賀城市)を一部再稼働させる。
被災した建屋を補修するほか一部の生産設備を新たに購入する。投資総額は10億円。
金属加工用工具など利益率の高い製品から順次生産を開始する。
同社は震災被害の影響で2011年3月期の連結決算で債務超過となった。
主力工場の稼働で収益改善を図り、債務超過の早期解消を目指す。
多賀城工場は約3万平方メートルの敷地内に工場建屋が6棟ある。
このうち、被害が比較的軽かった2棟で壁などの補修工事に着手しており、10月末メドに完成させる予定だ。
修理可能な生産設備は再利用しつつ、被害が大きい設備は買い替える。
必要な資金10億円の一部には国や宮城県からの補助金を充てる。
設備の据え付け作業が終わる12月から、高付加価値製品から優先的に生産する。
例えば国内トップシェアの金属加工機をスムースに動かすのに不可欠な耐摩耗性の高いレールなどだ。
一方、合板や製紙工場向けなど大型の産業用刃物については、
中国で生産された他社製品との価格競争が激しくなっていることから、生産を後回しにする。
2棟での生産開始で、震災前の1〜2割程度の生産量を確保する。
残る4棟での生産再開は先行する2棟の生産状況を見て決める。
生産量の減少に合わせ、雇用調整も進める。多賀城工場は震災前に120人程度が勤務していた。
震災後、多賀城工場で勤務していたパート従業員や定年退職後に再雇用した社員など50人程度に退職を要請し、
自己都合などですでに約10人の正社員が辞めた。
このほか、13年3月期までに50人程度が定年退職を予定する。
来期までに計100人以上が退職することで、人件費を圧縮する。
同社は11年3月期の連結最終損益が13億円の赤字。3期連続の最終赤字で、前期は赤字が過去最大となった。
多賀城工場と本社が津波で壊滅的な被害を受けたため、特別損失を計上したことが響いた。
前期末時点で債務超過に陥っているが、2年以内の解消を目指す。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819490E2EAE2E08A8DE2EAE2EBE0E2E3E39EE2E3E2E2E2 |\ ,. ‐''":::::::::::::;::::`'-、
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