【観光】今年は人が全く来ない…茨城・大洗海岸 関係者が悲鳴 [08/06]

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1きのこ記者φ ★
夏真っ盛りを迎え、例年なら黒山の人だかりとなる県内の海水浴場だが、
今年は福島第一原発の事故による風評被害に加え、悪天候などが重なり閑散とした状態が続いている。
海の家や自治体関係者からは「今年はまったく客が来ない」と悲鳴に近い声が上がっている。 

「五十年近くここで働いているが、こんなにお客が少ない年は初めて。まずは晴れが少ない。
それと原発事故の影響」。大洗町の大洗サンビーチで毎夏、海の家を経営する荘司きよ子さん(70)は
ため息交じりに嘆く。

県によると、昨年は天候にも恵まれ、八月中旬までに約百七十六万人が県内の海水浴場を訪れた。
しかし、各市町へ取材したところ、今年は七月末で計約七万人ほどという。

県は放射性物質の懸念を打ち消そうと、二度にわたり海水浴場の海水と砂浜を調査した。
いずれも「健康には問題ない値だった」とするが海水浴客への不安は収まらない。
長男(5つ)と大洗町の海水浴場を訪れた宇都宮市の主婦(32)は「原発が気にならないと言えばうそ。
けど子どもが来たがっているので楽しみは奪えない」と複雑な心境を打ち明ける。

雨がちの天気も海水浴客の足を遠のかせた。水戸地方気象台によると「夏休みに入ったころから台風などで
天気が崩れ、気温も下がった」といい、日立市は高波などで六日連続で遊泳禁止措置を取らざるを得なかった。
節電で関東の工場が土日に操業しているのも関係ありそうだ。

さらに休日の高速道路利用料が上限千円となる「無料化社会実験」の終了が影響したとの指摘もある。
大洗町の担当職員は「今年は県外ナンバーが少なく特に東京方面が減った」と実情を明かす。

同町は、少しでも観光客を増やそうと今夏初めて観光キャラバンを結成した。町職員が東京や埼玉の駅、工場を訪れ、
海水浴場の安全性や特産品をアピールし、来県を訴えている。町職員たちは「観光の町なのでこの時期が一番大事。
好天が続き、何とか観光客が増えてくれれば」と巻き返しに汗を流す。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20110806/CK2011080602000063.html
よく晴れた日でも海水浴客はまばらで、閑散とする海岸=大洗サンビーチで
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20110806/images/PK2011080602100022_size0.jpg