【広報/電力】原発利益共同体、電通・博報堂・産経新聞社など事業請け負い、毎年税金60億円…「安全神話」刷り込み [11/07/16]

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2備餡子φ ★
・機内誌にまでエネ庁の広告

 「原子力発電所と伝統の醸造技術が共存する町に住んでいることをあらためて確認するとともに誇りにも感じた」。
全日空の機内誌『翼の王国』の10年1月号には、新潟県・柏崎市の酒造会社の社長と杜氏の言葉が紹介されています。

 「原子力発電所のある街で、大きな笑顔、見〜つけた」と題するこの記事は、資源エネルギー庁の広告です。
広告は「原子力発電所では、地震など万一のことを想定した安全対策をとっています」と強調します。

 この広告を作成したのは電通です。
電通は09年度に、機内誌のほか、週刊誌や子育て情報誌など雑誌への広告を4300万円で委託されています。

・中学生向けの雑誌無料配布

 工場や発電所などの立地をすすめている日本立地センターという財団法人があります。会長は東芝前会長の岡村正氏です。

 同センターが資源エネルギー庁から委託を受けているのは、中学生向けのエネルギー情報誌『Dreamer』などの発行。
A4サイズでフルカラー、12ページの雑誌で、約4万8000部を年間4回発行しています。原発立地地域の中学生に無料配布しています。

 内容は中学生による原発見学や放射線教室などを紹介するというもの。読者から募集しているエネルギー・イラストには「原子力発電は
発電時にCO2を発生させないんだって。今、地球温暖化が問題になっているからこういう発電方法を増やしていきたいね」などの声を
紹介しています。

 「エネルギー豆知識」のコーナーでは原発と自然エネルギーの発電量を比較しています。原発1基に対して、風力3482基、太陽光1万9343基
も必要だと述べます。発電量をわざわざ施設の数に換算して、原発の“優位性”を強調。子どもの視線を自然エネルギーから遠ざけるものに
なっています。

 3月29日に成立した11年度予算にも資源エネルギー庁の管轄だけで約29億円もの原子力関連広報が盛り込まれています。
資源エネルギー庁の担当者は「予算は付いているが事業を行うかどうかは検討中」としています。

・税金で原発を推進してきた主な事業と委託団体

 原子力発電を推進するために税金から出されている広報予算は、シンポジウムの開催や説明会、新聞や雑誌の広告など多種多様な取り組み
に使われています。そのほとんどは政府が直接行うのではなく、業務委託などの形で一般企業や財団法人などが受注しています。

 委託されてきた企業の中には、電通や博報堂など大手広告代理店や、産経新聞社などメディアも含まれます。
原子力広報予算が使われてきた主な事業と委託先を一覧表にしました。

(終)