3月11日に発生した東日本大震災の直後、
業務を円滑に進めるために東京から一時的に避難する企業が外資系を中心に相次いだ。
東京からわずか200キロの場所で起こった原発事故や交通網の混乱、
また計画停電など首都圏近郊での生活に不安を感じてのことだ。
こうした移転組の一部はそのまま定着する可能性があるとの調査結果が9日発表された。
人材あっせん大手ヘイズ・グループの日本法人であるヘイズ・ジャパンが200社以上の企業幹部に調査を実施したところ、
回答を得られた企業のうち、3割近くが東京以外の地域に人材の配置を計画しているという。
調査結果から、3月11日の大震災を受けて企業の採用活動に変化が見られることが分かった。
国内の別の地域に人事部門を置くことを計画している企業は28.5%で、移転先として人気が高い地域は関西、九州、北海道だ。
ヘイズ・ジャパンのマネジング・ディレクターであるクリスティーン・ライト氏はリポートで、
「当社の調査では、日本企業も外資系企業も、
3月の大地震を受けて採用計画の見直しに動いていることが示されている」と語る。
「最も顕著な変化は、人材を東京に集中させるのではなく、日本全国に分散させようとしていることだ。
この傾向は今後も続くとみられ、より広い地域に拠点を持つ企業が増えると予想される」
大震災とその後の混乱への対応の中で最も重要視されている職務領域は、
コンピュータ・システムと通信システムの維持だという。最も重要な職務は情報技術(IT)であると回答した企業は全体の51%で、
続いて34.5%の企業が人事機能と答えた。
また、回答した企業のうち、約2割が震災後に人材の配置方針を見直したとした。
ヘイズ・ジャパンはリポートで「全体のうち、10%の企業がITなどの事業の継続を以前より重視するようになり、
さらに10%がそれまで社内で管理してきた機能をリスクの分散のために外部委託することを決めた」とし、
「6%の企業が新卒採用をやめ、8%の企業が中途採用を中断している」と指摘した。
記者: Anna Novick
http://jp.wsj.com/japanrealtime/2011/06/10/東京の企業の30%が移転を検討、関西・九州・北海/