酒田市は3日、東日本大震災で事業継続ができない被災地の企業に対し、
同市京田の酒田京田西工業団地用地を無償提供し支援していくと発表した。
県工業振興課産業立地室によると、自治体による用地の無償提供は
県内初で、全国でも珍しいという。
震災直後からの支援策と新たな取り組みをまとめた「酒田市東日本大震災
総合支援対策」の中で、新規被災地支援対策制度として打ち出した。
災害救助法が適用された青森、岩手、宮城、福島県内などで、震災に
よって事業継続に支障が出ている企業が対象。
酒田市民か被災者を3人以上新たに雇用することが条件になる。進出希望
企業からの申し出を受け、市商工港湾課が資格などを審査する。
同課によると「無償提供する用地の規模に制限は設けていない。申し出を
受けた後、個別にオーダーメード方式で対応する」という。
また、市内の空き工場や空きオフィスについても、同市が買い取り、借り
上げし無償提供する方針。無償提供を受けた企業が被災地に戻る場合は、
用地を市に返却する。
酒田京田西工業団地は山形自動車道の酒田インターチェンジそば、
国道7号の西側に面し、総面積は22.6ヘクタール。
1区画の広さは0.93〜0.18ヘクタールで、全46区画のうち9区画に一般企業
の進出が決まっている。分譲価格は1平方メートル当たり1万7000円。
「酒田市東日本大震災総合支援対策」では(1)被災地支援対策
(2)避難者支援対策(3)市の経済・産業対策(4)市の防災等対策−を柱にし、
17項目の新規事業を盛り込んだ。
主な新規事業は▽避難乳幼児の保育料免除▽避難者の就農支援
▽起業を目指す避難者の空き店舗改装への助成▽市内の店舗に対する
緊急融資制度の融資限度額引き上げ(200万円)と融資対象者売上高の
条件緩和(6000万円以下)▽市防災計画の見直し−など。
山形新聞
http://yamagata-np.jp/news/201106/04/kj_2011060400794.php