【エネルギー】世界の原発ビジネス、「フクシマ」が新たな商機に[11/05/12]

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1やるっきゃ騎士φ ★
ソースは
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21053720110512
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[東京 12日 ロイター] 東京電力福島第1原子力発電所の放射能汚染事故は、日本のみならず、
米独など海外各国で反原発ムードを勢いづけた。
しかし、世界の原発ビジネスには必ずしも逆風は吹いていない。

新興国の電力需要や地球温暖化への懸念が高まる中、原発プラント各社はむしろ「フクシマ」を奇貨とし、
安全性を掲げて新型原子炉の売り込みを加速させている。
市場規模1兆ドル(約90兆円)とも言われる原発商戦。官民入り乱れ、激しい主導権争いが続く
巨大市場の熱気は容易に衰えそうにない。

原子力ルネサンス―。
1986年4月に旧ソ連(現ウクライナ)で起きたチェルノブイリ原子力発電所事故以来、
約四半世紀に及んだ「冬の時代」を経て、原子力発電は化石燃料に代わる有力エネルギー源として
息を吹き返し始めた。地球温暖化阻止のため、原発の再認知は避けて通れない道というのが
各国政府に共通した認識だ。しかし、その機運の高まりに「フクシマ」が冷水を浴びせた。

東日本大震災とそれに続く東電・福島原発の事故の直後、ドイツのメルケル首相は
1980年以前に稼働した国内の原発7基について一時稼働停止を発表。
それに続いて、イタリア政府も原発再開に向けた議論を無期限で凍結する方針を表明した。
スイスでは3基の原発建設手続きが中断、さらに同国経済相が「新規の原発建設は不可能」との見通しを
示した。いずれも、国内に高まる反原発の世論を目の当たりにした突然の政策転換だった。

全土に104基を抱える世界最大の原発保有国、米国。オバマ政権はクリーンエネルギーとして
原子力発電推進の姿勢を変えていないが、福島原発事故の影響で、新規の建設計画はほとんどが
棚上げ状態になっている。米電力大手NRGエナジーは、東芝が参加するテキサス州での原発2基の
増設計画を断念した。安全基準をめぐる不透明感が高まっている、というのがその理由だ。

<「フクシマ」がセールストークに>
各国に連鎖する「フクシマ」ショック。
しかし、世界全体を眺めてみると、福島原発の惨事が原子力産業にもたらした打撃は、
チェルノブイリ事故の時ほどの深刻さを見せてはいない。
日本を襲った放射能災害が一部先進国の原発計画を大きく揺さぶっているのは間違いないが、
その一方で、中国、インド、中東、東欧などの新興国における原発需要は根強く、建設推進の方針に
揺らぎはみられない。

-続きます-
2やるっきゃ騎士φ ★:2011/05/12(木) 12:55:36.86 ID:???
-続きです-
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東日本大震災前、世界各国で建設を計画または提案中だった原子炉の数は300基を超す。
その大半が新興国で、その後も計画を見直す動きはあまり表面化していない。
変化があったとすれば、福島原発の惨状を知った発注者側が「より安全な原発」を求めるようになった点だ。
「ノー・モア・フクシマ」。
日本を襲った未曽有の放射能災害は、皮肉にも、世界の原発メーカーが次世代プラントを売り込む
新たなセールストークになりつつある。

例えば、チェコの国営電力会社CEZ。同社には、総額300億ドルに上る大型契約を獲得しようと、
米国、フランス、ロシアの3つの事業体から競うようにオファーが寄せられている。
オーストリア国境に近いテメリン原発に2基、東部のドゥコバニー原発に1基、
隣国スロバキアに2基の炉を建設する計画をめぐり、東芝傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)、
ロシアの原子力企業アトムストロイエクスポルトと地元のシュコダの国際企業連合、仏アレバが
受注争いを繰り広げている。

同社の原発プラント建設担当の幹部、ペトル・ザボドスキー氏はロイターとのインタビューで、
「原子力エネルギーは過去の出来事からの教訓を踏まえてこそ活用できる」と表明。
「日本で起きたことを分析し、そこから学んだことをサプライヤーの選択に生かすつもりだ」と述べ、
プラント選定の条件として従来以上に安全性を重視する意向を示した。

<次世代原子炉めぐり火花> 
すでに各国の原発メーカーは、独自の安全技術を盛り込んだ新型炉の開発、売り込みに激しい火花を
散らしている。
技術力の高い欧米メーカーが有利になるか、あるいはロシアや韓国といった低価格炉のサプライヤーが
勢力を伸ばすのか。少なくとも、先進各国で原発建設が立ち往生している現状では、各メーカーが
その分小さくなったパイを争うこととなり、競争は激化する。
「フクシマ」ショックが長期化すれば、原子力産業の勢力地図が塗り替わる可能性も否定できない。

安全性を重視した次世代原子炉の開発で先頭集団を走っているのは、原子力世界最大手の仏アレバ。
同社が手掛ける第3世代炉「欧州加圧水型原子炉(EPR、出力1650MW)」は地震や津波といった
自然災害に備えて複数のバックアップシステムと安全装置が付いた設計で、
2001年9月の米同時多発攻撃のような航空機の衝突も想定した災害耐久力が売り物だ。
「将来を担うのは低価格炉ではない」―。東日本大震災の数日後、「アトミック・アンヌ」の異名で知られる
同社のアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)はこう語り、EPRの優位性を強調した。

-続きます-