【都市力】転勤族が最後に『福岡』を選ぶワケ--英誌で"世界14位"、羨ましい「住み替え」物語 [05/05]

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1ライトスタッフ◎φ ★
「転勤したい街」とアンケートすると、関東在住者は札幌、関西は福岡が必ず上位に
くる。わざわざ転勤願いを書いてこの地に来た大橋さんは、リタイア後も福岡に居着い
てしまった。そこまで人を引きつける街の魅力を探った。

「福岡市は世界で14番目に住みたい都市」と、2010年7月、イギリスの『モノクル』誌
がレポートした。流行に敏感なインテリ層に支持される同誌の「世界ベストシティ25」
ランキングは、1位がドイツのミュンヘン、東京が4位のほか日本では福岡が14位に
ランクインし、しかも前回より2ランク上がっている。国際的知名度もさほどではない
はずの福岡が、なぜ世界レベルで注目されるのだろうか。

同編集部に聞くと、「今回の調査で新たに取り入れた選択基準は、(1)開発されすぎた
大都市より、よき近隣関係のある都市、(2)緑のスペース、(3)新規ビジネス参入の
可能性などでした。ミュンヘンが1位になった主な理由は文化プロジェクトへの積極
投資、緑の多さ、交通機関のグッドアクセスを高く評価したからです」という。

福岡については、「緑化に900万ユーロ(約9億7200万円)の行政予算、福岡空港の
滑走路増設計画、CO2削減のため市は電気自動車の無料レンタルを試行」などの点が
他にない優れた点と評価。空港から博多まで地下鉄で2駅、5分。日本人サラリーマン
の転勤希望が多いことでも知られる福岡は、外国人の目にクリーンでアクティブ、
確実に魅力的な街なのだ。元リクルート九州支社長の大橋文吾氏も東京から家族4人で
転勤し、福岡に住まいを構えてしまったひとりだ。

■転勤7年で退職、マンションを購入

「大阪で10年、東京で10年勤務しましたが、ずいぶん福岡への希望を出しました。
出張で訪れるたびに、本当にいい街だなと思ったんです。料理もうまい、都会なのに
きれいな海も山も近い、人間がおもしろい。それにわたしは南海時代からホークスの
熱烈ファンで、球団社長になりたかったくらいですから(笑)。

家賃の安さも大きなポイントです。わたしが東京杉並で借りていた一戸建ては120
ヘーホーメートルで23万円、福岡で最初に借りた物件は180ヘーホーメートルで
18万円でした。中心地の天神へバスで15分という立地でですよ。日本は物価も家賃も
高くて住みにくいといわれますが、それは東京だけのことです」

福岡で7年間勤めた大橋氏は51歳で退社したが、東京にも出身地の大阪にも帰らず、
借家からほど近い西新に4LDKのマンションを購入したという。

「住んでみて予想以上に福岡の住みよさを実感したから、福岡に永住することに夫婦
とも迷いはありませんでした。早すぎるリタイアと思う方もいるかもしれませんが、
いろんな世界を旅して見てみたいんです。それにわたしは譲れる時期が来たら、地位
や職権は後輩に渡すべきだと考えていました。その時期を客観的に見極めることが
できたから実行したんです」

現在は友人の会社で週数日、顧問を務める氏は、年3回は海外へ。(※続く)

●福岡の二大高級住宅地、こちらは海岸を埋め立ててできた街、百道
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/5/4/600/img_54301a784d67040a16d0e641ec4d190c282223.jpg

●地価公示額も福岡市ナンバーワンの大濠
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/3419