【国民性】脱出した外国人は裏切り者なのか?--「あり得ない」のは日本人か外国人か [05/02]
1 :
ライトスタッフ◎φ ★:
今回の大地震と原発事故の直後、大勢の中国人が日本から脱出したことはご存じの
とおりである。
都内のコンビニで働く顔なじみの王さんはあっと言う間に姿を消し、居酒屋で働いて
いた愛想のよかった李さんもいなくなった。語学学校からは中国人講師が一斉に帰国
してしまった。「彼らはいつ戻ってくるのか」と、ため息をつく経営者もいる。
■「いきなり帰国なんて無責任じゃないか!」
横浜中華街からも多くの中国人が逃げ出した。横浜に古くからいる中国人経営者と、
出稼ぎに来た中国人労働者がもめた。
「老板(社長)、俺、明日帰ります」
「明日だと? あまりにも急じゃないか」
「でも、航空券買ったんです」
「もういい、お前はもう二度とここには帰ってくるな!」
「地震直後、シャッターが開いている店は全体の3分の1程度だった」と、横浜市在住
の会社員は話す。
中国人だけではない。アジアの他の国から日本に働きに来ていた労働者も引き揚げた。
東京のある零細企業の経営者から悲鳴が上がった。
「この忙しいさなかに、あいつらは一体何を考えているんだ!」
同社の臨時工であるバングラデシュ人が、原発事故に怯えきって帰国してしまったと
いう。
「仕事を残して逃げるつもりか! 残された我々はどうなるんだ」「いきなり帰国
なんて、あまりにも無責任じゃないか」と、日本人社員は臨時で雇ったバングラデ
シュ人を取り囲んだという。年度末の繁忙期に「それはないだろう」というのが
日本人社員の言い分だ。
しかし、バングラデシュ人にとってここは祖国ではない。単なる出稼ぎ先の1つに
すぎないのである。しかも、年金、医療保険などの保障もなく、福利厚生すら対象外
の臨時工だ。お互いに利用し合ってきた関係に「義理」は求め難い。
■日本にはなぜこんなにホームレスがいるのか?
一方で、中国人を雇う別の企業経営者は「彼らの帰国理由」が腑に落ちないと言う。
「家族が帰って来いと言うから帰国すると言う。なぜ家族に言われたぐらいで帰ら
なければならないのか」「『仕事は仕事、家族は家族』となぜ割り切れないのか?」
というのが、この日本人経営者の大いなる疑問なのだ。
ところが、中国をはじめとするアジアの国々では、家族の意向で行動が決定づけられる
ことが多い。それほど家族が大切なのである。
中国の経営者は、会社を辞めようとしている社員から「家族が反対している」と言わ
れると、もはやそれ以上突っ込むことはできないという。逆に、家族が反対している
にもかかわらず引き留めることは、後々深い怨恨を残すことにもなりかねない。この
感覚が日本人にはなかなかピンとこない。
逆に、日本に来た中国人が不思議に思うことがある。その1つが、「なぜ、日本には
こんなにホームレスが多いのか」という疑問だ。ある中国人留学生はホームレスを
見るにつけ、「なぜ彼らには帰る家、支える家族がいないのか。不思議に思えて仕方が
ない」と言う。(※続く)
◎
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/6042
2 :
ライトスタッフ◎φ ★:2011/05/02(月) 21:48:04.13 ID:???
>>1の続き
中国では、彼氏、彼女にプレゼントを与える習慣以上に、父母に贈り物をする習慣が
根付いている。また、アフターファイブに飲み会に直行することよりも、家庭での
団らんを大切にする人が多い。
この「家族」に対する感覚の違いが、日本企業と中国人従業員とのズレを生じさせる
大きな原因でもある。
「この日本人にはついていけない」
ある中国人は、今回の原発事故をきっかけにして、「これまで日本人管理職に抱いて
いた不信感が一気に高まった」と言う。
上海に本社があるA社は、中国人複数名を駐在員として日本に駐在させていた。東京の
事務所では、中国ビジネスの経験が豊富な日本人のB氏が指揮を執っていた。
福島第一原子力発電所で爆発が起きると、上海から来ていた従業員は関西に逃げた。
上海本社からは「仕事に影響がなければ帰国してもいい」という指示もあった。
ところが、B氏が承服しない。「命よりも仕事が大切だろう!」――。この一言で、
若い中国人従業員たちのやる気が完全に失われた。
「やることさえやれば、どこにいようと問題ないはずだ。この日本人にはついて
いけない・・・」
「モーレツぶり」もほどほどにしないと、アジア人たちはまずついてこない。今回の
震災と原発事故で明らかになった、日中間の「断絶」である。
■確かに「帰国の仕方が問題」だが・・・
今回はアジア人だけでなく、欧米人も多くが日本から脱出を図った。欧米各国の駐日
大使館や企業も、日本にいたスタッフを退避させた。
実は日本人にしても、今まで中国で危機に遭遇すると日本に一時帰国してきた。
天安門事件やSARS(重症急性呼吸器症候群)、反日デモなど、様々な騒乱が起きる
たびに、現地の日本企業は邦人を帰国の途に就かせた。海外で身の危険が迫ったら
母国に戻るというのは、当然の選択である。
ある日本人は、中国でSARS禍に見舞われた2003年を振り返りこう語る。
「当時、上海で現地の企業に採用されて働いていました。風邪を引いただけでも
即座に隔離病棟行きという状況でしたから、中国から逃げ出すしかありませんでした」
海外では、最後は自分で自分の身を守るしかないのだ。正確な情報を素早く入手した
くても、言葉のハンディがある。祖国への脱出は当然の行動である。
ただし、今回の「中国人の一斉退去」はいくら非常事態とはいえ、理性的とは言えない
一面を露呈させたことも事実だ。
都内のある大学では、学生だけではなく、中国人の教授たちが無断で帰国してしまい、
震災後1カ月以上を経ても音沙汰がないという。
正式な手続きを無視した引き揚げに、大学側も怒り心頭だ。大学関係者は「今後、
中国籍は雇わないという話まで出ている」と漏らす。(※続く)
3 :
ライトスタッフ◎φ ★:2011/05/02(月) 21:48:14.57 ID:???
>>2の続き
だが、中国人の「突然」は日常茶飯である。筆者が上海で中国人と一緒に働いていた
時も、突然、会社に来なくなる従業員を何人も見てきた。「すいません」の詫びが
入るわけでも、電話の一本が入るわけでもない。
基本的に、彼らは自分しか見ていないのだ。後に残された仕事や同僚を気遣うことが
できる人は一握りしかいない。
「帰国」するのはやむを得ない。だが、帰り方が問題だ。非常時だから何でもあり、
というわけにはいかない──。それを中国人に向けて説教したところで、現実的には
何も変わらないだろう。
せめてもの教訓は、この「13億人のスタンダード」に泣かされないように、日本人が
先手を打って対策するしかない、ということだ。
◎執筆者/姫田 小夏
東京都出身。92年より上海との往来を始め、97年から10年超上海に居住。99年に
上海、2002年に北京で日本語フリーマガジンを創刊、2008年まで編集長。現在、
フリージャーナリストとして日中を往復、中国のビジネス・流行・社会問題を発信。
定期連載に当コラムほか「ダイヤモンドオンライン」「東方週刊」(中国発行の媒体)。
また、「中国ビジネスの光と影」をテーマに講演会講師としても活動中。「ローアン
グルでの中国最新情報」を提供するチャイナビズフォーラム主宰。