第二地方銀行の仙台銀行は11日、経営の安定に万全を期すため、金融機能強化法に
基づく公的資金の申請を検討する、と発表した。東日本大震災の影響で、公的資金を
申請する動きが金融機関で表面化するのは初めてだ。
仙台銀は、申請を検討する理由について「万全の態勢で震災復興を支援するため」
としている。申請の時期や、公的資金の規模は未定という。金融機能強化法による
資本増強は、金融機関の経営が厳しくなる前に公的資金を入れて資本を厚くし、
取引先への融資などが十分できるようにする仕組みだ。
また、仙台銀と第二地銀のきらやか銀行(山形市)は11日、今年10月に予定して
いた経営統合を延期するとも発表した。「2012年度中の可能な限り早い時期」の
統合を目指す。ともに、当面は「地域経済に対する支援を最優先する」ためとしている。
仙台銀は宮城県内の石巻市や南三陸町などの計10店舗、きらやか銀行も仙台市内の
計2店舗が営業停止に追い込まれている。両行の取引先の企業も多くが被災し、資金
繰りなどの復旧にむけた支援に力を入れている。
両行が昨年10月に発表した計画では、今年10月3日に仙台市に本社を置く持ち株
会社をつくり、両行がその傘下に入って従来の名でそれぞれ営業を続ける方針だった。
昨年11月には両頭取を共同委員長とする経営統合委員会を発足させた。4月に統合
比率や持ち株会社名を含む最終合意書を交わし、6月末の株主総会で統合の承認を
受ける予定だった。
だが、震災前は月2回ペースで開いていた経営統合委員会も震災直前の3月初めに
開いて以降、開催を見送っている。統合比率を決めるために進めていた両社の資産
査定も、当初予定よりも時間がかかる可能性がある。査定作業は昨年9月末時点の
データをもとにいったん終えていた。だが、震災の影響で資産価値が大きく変動する
恐れがあるため、やり直すことも検討する見通しだ。
経営統合は、県境を越えて手を結ぶことで、営業面での相乗効果や規模拡大による
経営の効率化などで収益力を高める狙いがあった。きらやか銀行が09年3月期まで
3期連続で赤字を計上するなど両行とも業績が伸び悩んでいた。
◎仙台銀行
http://www.sendaibank.co.jp/ ◎
http://www.asahi.com/business/update/0411/TKY201104110147.html ◎関連スレ
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