4月1日からすべての職業ドライバーに、専用計測器による乗車前の飲酒チェックが義務
づけられるのを前に、アルコール検知器の販売が急増している。健康機器大手のタニタは、
昨年末までの3カ月間のアルコール検知器の販売が、前年同期比34%増と大幅に増えた。
業務用アルコール検知器製造・販売の東海電子(静岡県富士市)でも、注文に生産が追い
つかず、一部商品の納入が4月以降にずれ込む見通しになるなど、業界は特需にわいている。
関連規制の改正で、トラック、バスなど旅客・貨物輸送の事業者には4月からアルコール
検知器の常備と、検知器による酒気帯びの有無の乗車前確認が義務づけられる。アルコール
検知器の備えを怠った場合、初めての違反で60日間、再違反は180日間の車両使用停止
という厳しい罰則が科される。
これを受けて、タニタは昨年8月に、呼気中のアルコール濃度を1リットル当たり0.01
ミリグラム単位という高精度で測定できる検知器「HC−211」を発売。昨年11月頃
から同製品を含めて検知器全体の受注が急増し、10〜12月期だけで約5万台を販売した
。義務化直前の「3月はさらに動きが大きくなりそう」(広報部)と期待を寄せる。また
東海電子では、測定時の社員などの顔も写真で記録できる、主力の検知器「ALC−PRO
II」などへの注文が殺到。「一部製品は納入が4月以降になってしまうものもある」(
広報担当)という。
自動車関連商品を製造、販売する中央自動車工業(大阪市北区)も「既存製品はフル稼働
で生産している」(開発部)と、受注が好調だ。さらに2月からは、最大3000人の履歴
情報を残せるアルコール検知器の新製品「ソシアックPRO」も投入し、売り上げ拡大を
狙っている。
大手運送事業ではすでに検知器義務化への対応が進んでいるが、全国約5万社の中小事業
者の対応はこれからのところも多く、メーカー各社の営業攻勢は熱を帯びそうだ。(那須慎一)
ソース:SankeiBiz
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110307/bsc1103070503006-n1.htm .