鳥インフルエンザや大雪の影響で鶏・豚肉の供給量が減り、取引価格が
上昇している。鶏肉は国産品が1年前に比べ3%高、輸入品は37%高と
上昇基調を強めている。品薄感が強い鶏肉の代替需要もあり、豚肉も高い。
鶏肉相場の指標となる国産正肉ももの2月第2週(7〜10日)の卸値は
1キロ695円。今年に入り700円前後の高値圏で推移しており、昨年8月
下旬の直近安値からの上昇率は32%となった。ブラジル産もも肉は1キロ
390円。九州で鳥インフルが発生する前の1月中旬に比べ13%上昇した。
国産に品薄懸念が強く、輸入業者が手当てを急いでいる。
鳥インフルの感染拡大で今年に入り約114万羽の鶏が殺処分の対象になった。
大雪の影響で東北など一部地域で鶏肉の出荷が滞ったことも重なり、品薄感が
強い。一方、「鳥インフルの発生後も販売に影響は出ていない」(大手スーパー
のイオン)といい、需要は堅調だ。
余波は豚肉にも及んでいる。「不足気味の鶏肉の代わりに、豚肉を特売対象に
するスーパーが増えた」(食肉卸)といい、流通業で豚肉の調達が活発だ。
昨年の宮崎県の口蹄疫(こうていえき)による豚の大量の殺処分も供給減に
つながっている。
豚肉は東京市場の生体上物の卸値が1キロ514円で、1年前に比べ22%高い。
大阪は41%高の571円。輸入の米国産冷蔵豚のロイン(背中側の肉)は10%高い。
ただ、消費者の低価格志向を映し、量販店や外食産業は小売価格の引き上げに
慎重だ。農林水産省によると、全国量販店の小売価格は鶏もも肉が 100グラム
128円前後、豚肉ロースが同246円前後。今年に入り横ばいで推移している。
商品の大半で国産鶏肉を原材料に使っている日本ケンタッキー・フライド
・チキンは「値上げは考えていない」と話している。
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http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819698E3E2E2E0E68DE3E0E2E0E0E2E3E39F9FE2E2E2E2