米バンカメの昨年10-12月期、赤字幅拡大-減損処理響く
資産規模で米銀最大手のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が21日発表した昨年10-12月期
(第4四半期)決算は赤字となり、赤字幅は前年同期から大幅に拡大した。費用と評価損が
かさんだ上、総収入の減少が響いた。
バンカメの四半期決算での赤字計上は2期連続となった。昨年度はブライアン・モイニハン
最高経営責任者(CEO)が就任して以来、初の通期となっ た。同CEOは「昨年は必要な
治療と再建の年だった」と振り返った上で、昨年度に費用を計上したことで同行は問題を
乗り越え、今年度を順調にスタートすることができると強調した。
また、同行は昨年10-12月期の信用の質の改善を報告した。同期の融資は増加し、消費者
ならびに企業向けの融資は前年同期比でともに拡大した。
バンカメの同期費用で最大だったのは住宅ローン債権買い戻し関連費用で41億ドルに達した。
これにはバンカメが今月上旬に発表した住宅金融公社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と
連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)からの引き受け基準に合致しない住宅ローン債権の
買い戻し合意に関連した30億ドルの引当金が含まれた。
バンカメは同期に住宅ローン関連の事業で約20億ドルを減損処理した。さらに同期には
非中核資産の売却益3億6000万ドルを計上した。
バンカメの昨年10-12月期決算は最終損益が12億4000万ドルの赤字となり、前年同期の
1億9400万ドルの赤字から赤字幅が大幅に拡大した。優先株の配当を含むベースの1株
当たり損失は0.16ドルと、前年同期の同0.60ドルから縮小した。減損処理を除くと、
昨年10-12月期決算は1株当たり0.04ドルの黒字だった。
総収入は前年同期比11%減少し224億ドルとなった。
トムソン・ロイターがまとめたアナリスト調査では、1株当たり利益0.14ドルと総収入248億7000万
ドルが予想されていた。予想の大半には、既に発表されていた30億ドルの住宅ローン債権
買い戻しに関連した30億ドルの引当金が含まれた一方、20億ドルの評価損は除かれていた。
モイニハンCEOは電話会見で、トレーディング収入が改善しなければ、同事業の「規模を
変更」せざるを得なくなると表明した。
同CEOはまた、同行は今年下半期には配当を「若干引き上げる用意がある」が、それには
規制当局の承認が必要だと繰り返し表明した。
WSJ
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_174811