“直感の仕組み”解明に期待
1月23日 4時35分
将棋のプロ棋士が直感的に指すときの脳の働きを分析したところ、訓練を重ねた人
が無意識に行動するときと同じ脳の部分が働いていることが理化学研究所などの研
究で分かり、人間の直感の仕組みの解明につながると期待されています。
研究は理化学研究所が日本将棋連盟などの協力を得て行ったもので、プロとアマ
チュアのあわせておよそ60人の棋士が、それぞれ盤面を見て瞬時に将棋を指すと
きの脳の働きを調べました。それによりますと、アマチュアの棋士の場合、前頭葉と
呼ばれる脳の前方の部分が活発に働いたのに対し、プロ棋士は、前頭葉に加えて
脳の中心付近にある大脳基底核の尾状核と呼ばれる部分などが働いたことが分か
りました。尾状核は、トレーニングを重ねたスポーツ選手や音楽家が試合や演奏をし
ているときに活発な働きが見られる部分で、研究グループでは、プロ棋士の直感は
長年の経験や修練による習慣的な脳の働きから生まれるものとみています。理化学
研究所脳科学総合研究センターの田中啓治副センター長は「さらに研究が進めば、
人間のように直感を持つ人工知能のシステム開発などにも応用が期待できる」と話
しています。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110123/t10013569481000.html