西日本高速道路会社は27日、米国の橋梁点検業務に参入するため、11年1月11日付でワシントンに
全額出資の専門子会社「NEXCO−West USA」(資本金約7500万円)を設立すると発表した。グループで
開発した先進技術を生かして橋梁点検業務の受注を狙う。11年の受注目標は最低でも2件としており、
将来的には舗装や建物の診断など他分野への事業展開、欧州への進出なども視野に入れている。
同社が保有する橋梁点検技術は、人力による打音点検を省力化できる「赤外線カメラ」と、目視点検の
省力化が可能な「高解像度カメラ(HDV)」。現在、米国の橋梁点検は客観性に劣る目視点検が中心で、
非破壊点検手法の開発が求められているという。同社の二つの技術は、橋梁の健全度を非破壊で客観的に
評価でき、点検業務の効率化も可能。米フロリダ州のセブンマイル橋でのデモンストレーションで州政府から
高い評価を得ており、米国企業からの問い合わせもあるため、子会社の設立を決めた。
米国内でのセミナーや会議で受注実績や点検成果を発表し、認知度の向上を図るほか、米国の大学との
共同研究などを通じて技術力の向上を目指す。現在、フロリダとメリーランドの両州から計2件の
引き合いがあり、会社設立後、受注に向けて技術提案を行う予定だ。27日に大阪市北区の本社で会見した
西村英俊会長兼社長は「先進技術国であり、先進運用国でもある米国との関係を深めることで、われわれも
幅広い技能や情報を蓄積していきたい」と語った。
▽ソース:日刊建設工業新聞 (2010/12/28)
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=201012280107001