清水建設は25日、10〜14年度を対象とする中期経営方針を発表した。
7月に公表した新長期ビジョンの実現に向けた事業戦略、業績目標などを示したもので、
コアビジネスの建設のほかに、「グローバル」「ストックマネジメント」「サスティナビリティー」
の計4事業を強化。
環境技術を駆使した建築工事の受注や、20年に全事業量の約2割を海外で確保するための
体制づくり、原子力関係の大型受注などに取り組み、14年度に単体売上高1兆3000億円
(建設完成工事高1兆2500億円、付帯事業売上高500億円)、同経常利益300億円以上
(連結ベース360億円以上)を目指す。同社が中期経営方針を対外公表したのは初めて。
14年度までは、新長期ビジョン達成の第1期間との位置付け。
建設事業は、単体完工高の目標を国内1兆1400億円(建築9500億円、土木1900億円)、
海外1100億円とした。国内は5年間の建設投資の水準を35兆〜40兆円とみており、
競争が厳しい中でも建築分野は原子力や医薬品関係といった有望市場への対応を強化。
生産システムの改革も進め、受注量と競争力を高める。土木分野は「国内トップクラスへの定着」
を図る一方、PFI・PPP、新エネルギーなどの領域を拡大する。
グローバル事業のうち、海外で事業量の2割確保については、「全従業員の3〜4割が海外で働ける体制が必要」
(鈴木恭一経営管理部長)として、現在の事業体制(連結ベースで海外関係人員約2400人)を踏まえ
海外志向の体制整備を推進。社歴の浅い社員の海外勤務制度の導入や、海外企業からの人員の調達などを検討する。
ただ急激な人員増は避け、現行の採用水準を維持しつつ配置転換などによって人材の国際化を急ぐ。
受注活動では、いわゆるジャパンパッケージへの対応や非日系顧客の開拓に力を入れる。
ストックマネジメント事業は、ビルマネジメントなどで構成する独自のビルディングサービスプロバイダー
(BSP)事業の拡大と不動産ビジネスの多角化が柱。
不動産では、商社や地元デベロッパーと連携した海外事業に積極的に対応する。
サスティナビリティー事業では、原子力エンジニアリング力の強化やエネルギーマネジメントシステムの
商品化を推進。環境関連のビジネスモデルの構築も進める。
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