[東京 24日 ロイター] 東芝の仲田隆一・執行役上席常務(電力流通・産業システム社社長)は
24日、同社が都内で開いたエネルギー関連シンポジウムの講演で、
スマートグリッド(次世代送配電網)事業の強化で国内外の企業との連携を強化する考えを示した。
仲田常務は「当社が所有しない技術を持つ企業とアライアンスを持ち、東芝としての事業領域を
超える部分に関してはその道の専門企業とパートナーを組む」と述べた。
スマートグリッドは送配電網をITネットワークにつなぎ、電力需給の総合効率を高めるシステム。
太陽光発電など発電状況が天候に左右される再生可能エネルギーが一定規模を超えて大量導入されると
送配電の安定に支障が出るため、不安定な発電を吸収し、必要に応じて電力系統に送電する機能を
果たす蓄電池を活用して悪影響を回避する。
その際、ネットワークを通じて家庭やオフィス、工場などの電力需要をきめ細かく把握しながら
高度な電力利用の実現を目指すことが構想されている。
今後、普及が見込まれる電気自動車に搭載される蓄電池を活用する将来像も取り沙汰されるようになった。
仲田常務は、スマートグリッドを支える基盤技術として電力系統制御、蓄電池、情報通信などを挙げ、
「東芝は全て持っている」と強調。
これらの技術を基にエネルギー管理システム、家庭などの電力消費状況をネットワークを通じて
把握する「スマートメーター」、蓄電池、スマートグリッドに対応した家電製品などを供給する方針
だとしている。
スマートグリッドは世界各地で実証実験が行われているが、本格的な需要拡大には至っておらず、
ビジネスモデルの確立も今後の課題になっている。
仲田常務は「スマートグリッドはビジネスの範囲が広いため、全てをカバーする企業は存在しない
領域だ」と指摘。特に、基本計画の立案、コンサルティング、ファイナンス、ソリューションなどの
ビジネス機能は「(国内で有力な)パートナー企業と組んで、地域ごとに市場を開拓する必要がある」
と語った。海外市場の開拓では情報通信分野での連携が想定されるとしている。
ソースは
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-18318220101124 東芝
http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm 株価
http://company.nikkei.co.jp/index.aspx?scode=6502