讃岐うどんの本場・高松で、麺(めん)打ちも含めて女性職人だけで切り盛りする店が繁盛している。
「力のいる麺打ちは男、ダシ作りは女」という暗黙の分担を打ち破るのが目標だ。
オープンから2カ月余。伝統的なコシの強さを残しつつも、しなやかな麺は「女麺」と呼ばれ、
新風を巻き起こしている。
「たも屋女道場」(高松市南新町)では、20〜60代の女性ばかり13人が製造工程を担う。
約1千のうどん店がひしめく香川県内で、女性ばかりの店は「極めて珍しい」(さぬきうどん振興協議会)。
発案は、人気うどん店「たも屋」の黒川保社長(48)の妻真弓さん(47)。
自身も麺打ちをしてきたが、「女が珍しいなあ」と頻繁に言われ、疑問や憤りを募らせた。
今春、女性職人1期生を募ると30人が応募。面接で半数に絞り、保さんのもとで約2カ月、
生地を足で踏んだり伸ばしたりする特訓をした。
生地は、こねる時の力の入れ具合や伸ばし方などで状態が変わる。「女道場」では激しさを抑え、
繊細な打ち方を追求。弾力はあるが表面はごつごつせず、軟らかい食感を出している。
店内は白やオレンジ色を基調にした。昼時は連日、長い列。
「明るく清潔。女性1人でも入りやすい」(主婦)、
「太くてコシがある讃岐うどんの印象が少し変わった」(男子大学生)と好評だ。
初代店長で高知県出身の岡林理沙さん(33)は大学の家政学部卒。飲食店経営者を目指して
高知のレストランなどで勤務後、今回の職人修業の門をたたいた。
「将来、古里で店を持ちたいと思うようになり、女性でも受け入れてくれる店を探した。
麺打ち修業では手首が随分腫れたけど、おいしそうに食べてくれるので苦労も吹き飛びます」
世話役の真弓さんは「どんどん女性が活躍して欲しい。本場だけに成功は簡単ではないが、応援したい」
と言う。
ソースは
http://www.asahi.com/national/update/1105/OSK201011050054.html 麺打ちをしながら客を迎えるスタッフ=5日午前、高松市南新町
http://www.asahicom.jp/national/update/1105/images/OSK201011050058.jpg 最も忙しい昼前の調理場=5日午前、高松市南新町
http://www.asahicom.jp/national/update/1105/images/OSK201011050055.jpg