【労働環境】サービス残業で1221社に労基署指導 前年度比大幅減[10/10/25]

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71名刺は切らしておりまして
大学時代に労働法を勉強してたけど、労働基準監督官の権限はかなり強いよ。特別司法警察官として強制捜査や逮捕もできるし、令状なしで半強制的に検査できる。
ちなみに労働基準法違反は行政罰ではなく刑事罰がある。つまり前科一犯にできる。そういう意味では、警察や税務署のいいとこ取りで捜査機関として法律的には最強に近い。
問題点としては
(1)権限は労働基準法と労働安全衛生法に関するもののみ(2)組織の弱さ、がある。

(1)については、労働の最低を守らせる基準法以上のことについては民事の問題であり、基本的には組合等を通して解決するのが前提ということがある。
ただ、近年問題となっているのは労働基準法に規定のない問題であり、組合の弱体化により解決が難しくなっている。
   個別労働紛争解決促進法などの整備はしているものの、強制力はないためいかんせん微妙・・・

(2)率直に言って、高度経済成長時代には経済発展の邪魔をする盲腸のような扱いであり、人員配分も予算も非常に貧弱だった。
   たとえば、逮捕権はあるものの逮捕しておく留置場もなければ手錠の予算もない。なので警察から借りるためにお願いにいくのだが、共助協定などは結んでないため拒否されればそれでどうしようもなかった。
   また、戦後に事業所は何倍にも増えたものの、労働基準監督官の増員はほとんどない。そのために、すべての事業所を検査するのは物理的にほとんど無理な状況です。

こんなに労働条件がむちゃくちゃになっているのだから、本来はもっと強化すべき役所だと思うよ。治安が悪化したときには警察官を増員したように、労働条件をよくするには労働基準監督官を増員すればいい。
それなのに、民主党は定員も新規採用も減らしてる。つまり言葉だけで、本気で労働者を救うつもりはないということだよ。