欧州連合(EU)欧州委員会は19日、クローン技術を利用してつくられた
家畜からの食品生産とその流通を今後5年間禁止することを提案した。
欧州委は2008年1月に「クローン食品は安全」との報告書を発表、普及に
意欲的だった。しかし加盟国の多くが懸念を表明、今年7月に欧州議会が
クローン食品の全面禁止を決議したことを受け、方針転換した。
一方で、クローン動物の子孫から生産した食品の輸入については、流通経路を
追跡し、データベースを設けることを条件に認めるとしている。
ダリ欧州委員(保健・消費者保護担当)は「クローン動物の食品は安全だ」と
強調した上で、今回の措置は「倫理的な懸念や動物愛護の問題」を考慮した
ものだと説明。5年後に禁止を見直す考えを示した。
EUでは多くの加盟国が研究目的でクローン技術を利用しているが、
食品生産などの商業化はなされていない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010101901001012.html