【話題】「工場マンガ」が熱い ものづくりの苦楽描く[10/09/27]

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1やるっきゃ騎士φ ★
地味で地道なものづくりの現場を描く「工場マンガ」。
溶接工から転身した野村宗弘さん作『とろける鉄工所』(講談社)と、
エンジニア出身の見ル野栄司さん作『シブすぎ技術に男泣き!』(中経出版)が人気を呼んでいる。
東京都内であったトークライブで、作者2人が熱く語りあった。

『とろける鉄工所』は2007年から「イブニング」(隔週刊)に連載中で、単行本4巻で計25万部。
溶接工の主人公と同僚たちが、溶接の光で目が痛くなったり、ヘルメットの穴に飛び込んだ火花に
もんどり打ったり。涙と汗の鉄工所生活をコミカルにつづる。

『シブすぎ技術に男泣き!』は、技術者向け情報サイト「リクナビNEXT Tech総研」に
07年から不定期連載中で、単行本2巻で計20万部。半導体製造装置の設計に携わっていた
見ル野さんが、自身の苦労話や町工場のルポなどを描くエッセーマンガだ。

トークでは、野村さんが腕のやけど跡を披露。「鉄工所の仕事は危ないこともあるけど、危険度は
車に乗ってるのと同じくらい」。マンガには左目を失ったり指をなくしたりしたベテラン職人が登場、
渋い味を出している。「指がなくたって実力があれば生きていける世界。それを描きたかった」

見ル野さんは「技を持った職人集団ってかっこいい。『ロッカーの中の金網の製造では
トップシェア』とか、東大阪や蒲田の町工場を取材すると、いろんな企業があって面白い」。

野村さんは現場の人から「読んでます」という反響をよくもらうという。
「中には『とろ鉄』読んで溶接工になったという人までいて、人の人生を動かしてしまっていいんかな、
と思う」

「プロの目から見たら僕のマンガは甘っちょろくて、怒られることも多い」と見ル野さん。
「でも本当に詳しく描くと、読者の方がついていけなくなるんですよね」と野村さんが同情した。

マンガの取材を通じて日本の製造業の苦境を肌で知る見ル野さんは、トークのあと、
「小さい町工場だって、オンリーワンの技術を持って頑張っている人たちがいる。
そのことをマンガを通じて知ってもらえたらうれしい」と話した。

ソースは
http://book.asahi.com/clip/TKY201009270120.html
『シブすぎ技術に男泣き!』=見ル野栄司/中経出版
http://book.asahi.com/clip/images/TKY201009270134.jpg
トークを終えた見ル野栄司さん(右)と野村宗弘さん。「2人で協力すれば簡単なロボットくらい作れるよね」と見ル野さん=東京・新宿
http://book.asahi.com/clip/images/TKY201009270133.jpg