家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」で最大の被害を出した宮崎県川南町で25日、
犠牲になった牛や豚などの家畜の合同慰霊祭が開かれた。
東国原英夫知事や農家など関係者約500人が参加。内野宮正英町長が「畜産業の
再生、町の復興のために町民一丸で頑張る」と誓った。
川南町は、口蹄疫に感染した県内の292農場のうち197農場が集中。町内の
消毒ポイントは最大35カ所に上るなど必死の封じ込めが続いたが、結局、ワクチン
を接種した家畜と合わせて、町内の約16万7千頭すべてが処分された。
慰霊祭では、「『無』から『新生畜産川南』の再建に心を合わせて前進します」と
刻まれた慰霊碑が除幕され、防疫作業に携わった獣医師や畜産農家が花を供えた。
豚825頭を処分した養豚農家男性(51)は「気持ちに区切りがついた。口蹄疫を
2度と出さない地域をつくるため頑張るしかない」と話した。
続いて町主催の畜産復興大会があり、両親が牛を育てていた東小学校6年佐藤耕大君が
作文を発表。「早く牛が帰って、手伝いをしながら、お父さんやお母さんと楽しい
会話をしたい」と読み上げた。
東国原知事は「感染を県内で抑えられたのはみなさんの努力のおかげ。県も復興計画を
作り支援したい」と述べた。
26日は、町中心部のトロントロン商店街で名物の軽トラ市が半年ぶりに復活し、
パレードや花火大会も開かれる。
●川南町の合同慰霊祭で、殺処分された家畜の慰霊碑に献花する人たち
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/miyazaki/20100926/201009260001_000.jpg ◎
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/199758