発電所や化学工場、浄水施設で使用されている独シーメンスの特定のシステムを
標的にし、イランを中心にインドやインドネシア、パキスタンなどでまん延している
コンピューターウイルス「Stuxnet」について、米サイバーセキュリティ当局者は
24日、このウイルスを分析しているところだが、ウイルスを作成した人物や動機に
ついてはまだわからないと述べた。
6月にStuxnetがみつかって以来、このウイルスの分析を続けているドイツのコン
ピューターセキュリティー専門家のラルフ・ラングナー氏によれば、Stuxnetは、
ある特定の施設の管理ネットワークを認識し、それを破壊する能力を持つ。
Stuxnetはシーメンスの「SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)」
システムをターゲットに設計されている。SCADAシステムは、多くの水道施設や
原油掘削施設、発電所などの工業施設でデータ収集と施設の管理に使用されている。
米国土安全保障省(DHS)のサイバーセキュリティ機関「NCCIC」のショーン
・マッガーグ局長は米ワシントンD.C.そばにあるNCCIC施設で記者団に対し、
「(Stuxnetの)本体の分析を行った。最も困難なのは動機と帰属の特定だ」と語った。
マッガーグ氏は「これまでのところ、(Stuxnetが)特に悪意のある動作をした
ケースは確認されておらず、その影響力や効果も確認されていない」と述べ、
ウイルスの背景にいるのは何者なのかとの質問に「憶測するにはまだ早すぎる段階だ。
出自はわからないが拡散防止に努めている」と語った。シーメンスも顧客と連絡を
取って感染対策につとめているという。
ラングナー氏は、Stuxnetの標的はイランのブシェール原発ではないかと指摘する。
8月に核燃料が搬入されたブシェール原発は、詳細不明の問題により施設のフル稼働が
遅れている。
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http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2760046/6239315