24日の欧州株式相場は急反発。ドイツとフランスの主要指数は2%近く上昇した。
米国8月の耐久財受注で一部の受注が堅調に伸び、世界経済の減速懸念が後退した。
欧州主要企業600社で構成されるStoxx欧州600指数の終値は、前日比2.90ポイント
(1.11%)高の263.97だった。日中の大半は前日終値を下回る水準で推移していた。
週間ベースの上昇幅は0.4%高、今月に入ってからは5%高となった。
主要指数の終値は、仏CAC40種指数が71.87ポイント(1.94%)高の3,782.48、
独DAX指数は113.59ポイント(1.84%)高の6,298.30、英FTSE100種総合株価
指数は51.40ポイント(0.93%)高の5,598.48。
パリ市場では、仏米通信機器大手アルカテル・ルーセントが7.5%高をつけた。
オッド証券が同社の投資判断を「バイ」に引き上げたと報じられた。
ドイツでは、スポーツ用品大手アディダスが5.4%高。同業の米ナイキが23日、
主要新興市場での売れ行きが好調で、6-8月期の受注数が力強い伸びを見せたと
発表した。
米国株は8月耐久財受注の発表を受けて大きく上昇し、欧州株もこれに追随した。
米商務省の発表によると、8月の耐久財受注は前月比1.3%減少した。ただ、輸送
関連を除く受注が同2.0%増加したことや、航空機を除く非国防資本財の受注額が
同4.1%増加したことを投資家は材料視した。
「8月の耐久財受注は、設備投資が米国経済を引き続き下支えしており、景気の
二番底に陥る可能性が極めて低いとする、われわれの見解を支持するものだ」と、
コメルツ銀行のアナリスト、クリストフ・バルツ氏は顧客向けリポートで述べた。
ドイツで24日発表された9月のIfo景況感指数は106.8と3年ぶりの高水準となり、
8月の106.7から予想外に上昇した。
欧州市場では、金融株が堅調だった。仏銀行大手クレディ・アグリコルは5%高、
ソシエテ・ジェネラルは3.9%高。
欧州航空・防衛大手EADSは3.8%高。JPモルガン・カザノブは、同社が業界で
最も高い成長が見込めるとして投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」
に引き上げた。
自動車株も買われ、独ダイムラーが4%高、独BMWが4.3%高をつけた。
一方、製薬大手メルクは10.2%安と急落した。欧州医薬品審査庁(EMA)がこの日、
同社が開発する再発寛解型多発性硬化症(MS)治療薬「クラドリビン(一般名)」の
効果は、治療によるリスクを上回るものではないと述べたことが嫌気された。
これに対し、メルクは欧州連合(EU)内での承認を求める意向を変えていない。
※続く
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http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Stock-Markets/node_108217 >>1の続き
ロンドン市場では、半導体開発大手ARMホールディングスが6.1%高となった。
米企業向けソフトウエア大手オラクルのエリソン最高経営責任者(CEO)が、
半導体メーカーの買収に興味があるとアナリストらに語った、と複数のメディアが
報じた。
このほか、英高級ブランドのバーバリーは6%高をつけ、FTSE100指数を押し上げた。
鉱業株は、UBSによる投資判断の引き下げが重しとなり下落した。
チリに事業拠点を置く銅生産大手のアントファガスタは、投資判断を「ニュートラル」
から「セル」に引き下げられ、2.5%安で引けた。
カザフスタンの銅採掘・加工会社カザフミスは「バイ」から「セル」に引き下げられ、
0.5%安。
英アングロ・アメリカンは「バイ」から「ニュートラル」に引き下げられ、0.6%安
となった。
(ダウ・ジョーンズ)