「婚活」をうたい文句に、集客拡大を図る“婚活ビジネス”が、幅広い業界に広がり
始めた。競馬場や競艇場を舞台にしたイベントが話題を呼び、毎回キャンセル待ちが
出るほどの人気ぶり。婚活イベントを絡めて事業の収益向上を図る動きが活発化、
景気回復のカンフル剤との期待も高まっている。
JRA(日本中央競馬会)は今月11日、阪神競馬場(兵庫県宝塚市)で婚活イベント
「馬カツで婚活in阪神競馬場〜競馬場で本命との出会い〜」を開催した。予約で
キャンセル待ちが出るほどの人気となった同イベントには、20代〜40代までの
未婚の男女あわせて約100人が参加した。
会場では、参加者同士が会話を楽しむフリータイムに加え、競馬にちなんだゲームを
行うなど競馬場ならではの企画で交流を深めた。この日は11組のカップルが誕生した。
JRAでは「イベントを通じて競馬にも興味をもっていただけたのでは」(担当者)
と手応えを感じている。
一方、若い世代の取り込みを図りたい競艇場も、8月1日に「ボートレース住之江」
(大阪市住之江区)で、関西初となるボートレース場での婚活イベントを実施。
男女あわせて約40人が参加し、予想を上回る人気となった。同競艇場では来年2月
に2回目のイベントを開催するという。
また、近畿日本鉄道は7月に婚活ツアー「きんてつHappy Train in
志摩スペイン村」を開催し、男女約50人が参加した。大阪上本町駅(大阪市天王寺区)
から志摩磯部駅(三重県志摩市)までの近鉄特急車内で自己紹介タイムを実施し、
志摩スペイン村(同)ではカップルイベントを楽しんだ。「イベントを通じて列車の
旅と沿線の魅力を知ってもらいたい」(広報担当者)というのが本当の狙いだ。
晩婚化が進む中で、比較的、可処分所得の多いシングル層は、消費低迷下でも優良顧客
となりうる。このため幅広い業態で、婚活イベントを新たな商機と位置付ける動きが
広がっている。
カップリングパーティーなどで年間30万人以上の動員の実績を持つ、エクシオ
ジャパン(横浜市西区)は「婚活が流行語になって以降、イベントに参加する女性が
増え、集客力に企業も注目しているのでは」(広報担当)と分析している。
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http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100921/biz1009211250005-n1.htm