デジタルコンテンツ協会が31日発表した「デジタルコンテンツ白書」によると、国内のコンテンツを扱う業界
の2009年の売上高は前年比6%減の12兆843億円で、2年続けて減少した。一方、インターネット
経由の配信分は同6%増の1兆3999億円。テレビや新聞、音楽CDなどの低迷で市場全体が縮む中、
ネット流通に移行する傾向が鮮明だ。
コンテンツは映像、音楽、書籍など、様々な媒体で流通する情報を指す。全体の落ち込みは、「従来
メディア」の代表格で、市場の約4割を占めるテレビや新聞の低迷が主な要因。テレビは前年比4%減の
3兆3473億円、新聞は同7%減の1兆6605億円だった。00年と比べると、テレビはほぼ同じ水準、
新聞は広告費の減少で2割以上落ち込んだ。
CDを中心とした「パッケージ型」の音楽ソフトも激減。09年は前年比15%減の4637億円で、00年の
ほぼ半分となった。東京・渋谷の大手CD店「HMV渋谷」が8月に閉店するなど、小売店の苦境が続い
ている。
コンテンツ市場全体の縮小について、同協会は「従来メディアに慣れ親しんだ人口の減少やネットでの気
軽な消費の増加など構造的な要因に、経済の変調が加わった」と分析する。
一方、ネット経由で電子データの形で配信されたコンテンツの市場規模は、統計を取り始めた00年から
増え続け、10年間で6倍近くに成長した。中でも携帯電話向け市場は高い伸びを示し、09年は前年
比14%増の6556億円。「モバゲータウン」などネット交流サイト(SNS)向けゲームのアイテム販売が約
3倍となったほか、映像配信も8割増えた。
音楽でも、米アップルの音楽プレーヤー「iPod」などの普及で、データをネットでダウンロードする人が急増。
ネット配信市場は約2千億円で、00年の245億円から着実に拡大している。
CDやDVDなどを含めたデジタルコンテンツは約6兆円で、コンテンツ市場全体の約半分を占めるようにな
った。地上デジタル放送に対応したテレビの増加や、ネット配信の拡大が要因という。
■ソース
asahi.com(
http://www.asahi.com/ )[2010年9月1日]
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201008310538.html