ソーシャルメディアの企業活用で重要なのは、ミニブログ「ツイッター」やソーシャル・ネットワーキング・サービス
(SNS)をただ使うだけでなく、自社の店舗や企業サイトと組み合わせて展開することだ。両者がうまく連携
すればPRやイベントの効果がより高まる。
ただ、こうした手法には大きな落とし穴もある。ソーシャルメディアを見て来店した顧客への対応に問題などが
あった場合、ネット上で反響が増幅されて逆にユーザーの信頼を失いかねない危険もあるからだ。
「メディア」というと最新のインターネットサービスばかりに目が行きがちだが、メディアの本来の役割は双方の間
を取り持つ「媒介」である。店舗や自社ウェブサイトもユーザーと企業を結ぶ重要なメディアの1つである。
◇店舗がトラブルの元凶になった米企業の教訓
店舗が重要なメディアであることを理解するうえで、他山の石となるのが世界最大のコーヒー店チェーン、米スタ
ーバックスの事例だ。スターバックスはツイッターで100万のフォロワーを持ち、米SNS「フェースブック」にも1200万
人の「ファン」がいるなど、ソーシャルメディア活用の先進企業として知られる。しかし、そんな同社も店舗での対
応が問題になってユーザーから立て続けに非難を浴びてしまった。
一つは、利用者の位置情報を利用する米ソーシャルメディア「フォースクエア」を使ったキャンペーンの失敗。もう
一つは、従業員の対応がきっかけとなったもので、ネット上の写真共有サイト「フリッカー」では同社を非難する
声で「炎上」する騒ぎが起きた。
フォースクエアは、ユーザーが「今どこにいるのか」をネット上に情報発信できるサービスで、米国で人気が急上昇
している。GPS(全地球測位システム)機能を搭載した「iPhone(アイフォーン)」のようなスマートフォンを使って
ユーザーが店舗などの施設に「チェックイン」すると、それが友人に伝わったり仲間が集まったりして集客効果が期
待できる。
スターバックスはフォースクエアと組んでクーポン券を発行するキャンペーンを実施したが、「店舗でクーポン券が使
えない」というトラブルが発生。ユーザーの期待を裏切る結果となった。
一方、フリッカーでの炎上は、「店舗で写真を撮影したら店員から怒られた」との投稿がきっかけだった。フリッカー
には様々な写真がアップされ、写真のテーマごとにユーザーが「グループ」を作って楽しんでいる。この投稿が寄せ
られたのはスターバックスが認定した「公式グループ」の掲示板で、あるユーザーからの電話での問い合わせにスタ
ーバックスが「店舗内の撮影は許可していない」と回答したことでさらに批判が増えた。以来、掲示板の更新は半
年以上もストップしたままだ。
※以下を省略します。続きはソースをご覧ください。
■ソース
日本経済新聞(
http://www.nikkei.com/ )[2010/8/31 7:00]
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819499E0E7E2E39F8DE0E7E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2