関西国際空港会社が埋め立て工事の完成をストップさせている関空2期島の一部用地について、
大阪府泉佐野市が「事実上完成している」と判断し、来年度から固定資産税を徴収する「みなし
課税」に踏み切る方針を固めた。
関空2期島は528ヘクタールの造成がほぼ完成しているが、関空会社はうち291ヘクタールだけ
完成(竣工(しゅんこう))の手続きを取り、2007年から第2滑走路や誘導路などとして運用を開始。
残る237ヘクタールについては仕上げの60センチ分の土盛りを残して工事をストップさせ、土地の
登記を先送りしてきた。
完成手続きや登記をしなければ固定資産税を納める必要がなく、借入金の金利負担など決算上の
費用を低く抑える会計処理も可能なため、関空会社はあえて完成を遅らせてきたとみられる。
しかし、泉佐野市は「未完成とされた土地は運用中の第2滑走路に面しており、滑走路を守る役割を
果たしている」と判断。237ヘクタールのうち、完成すれば同市域に組み入れられる134ヘクタール
について、造成中の土地でも利用実態があれば固定資産税を課すことができる「みなし課税」の規定
を適用する方針を決めた。税額は年約6億円に上るとみられる。
泉佐野市が課税に踏み切る背景には、09年4月に関空と対岸の市を結ぶ連絡橋の所有権が関空
会社から国に移管され、市がそれまで得ていた年間約8億円の固定資産税収を失ったことがある。
市は対抗策として連絡橋を通る車に通行税を課す条例を制定したが、国土交通省が2期島の完成に
伴う新たな固定資産税収で市の税収減を補う代替策を提示。市は今年中の完成を前提に通行税
導入を見送った経緯がある。
市幹部は、みなし課税の方針について「国は連絡橋での税収減を2期島で補うと約束しながら、島の
完成を遅らせてきた。市の財政難は深刻なので収入確保のためにできることはする」と話す。
一方、国交省の担当者は「関空会社には早期完成をお願いしている」としている。
ソース:asahi.com
http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201008300047.html http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201008300047_01.html