【経済】ねじれる世界経済の行方--減速する成長、BRICsの実情 [08/28]

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1ライトスタッフ◎φ ★
■見えてきたBRICs経済の実情

ここ数回ずっと中国をまとめて取り扱ってきて、それはそれで私も集中できて
良かったと思うが、話がやや現実離れしてしまったきらいがある。そこで今回は、
今の世界経済全体を覆う強い不安感を、「BRICsの衝撃」的視点で見るとどういう
ポイントが指摘できるかという点から少し文章をまとめて見たい。

まず現実を見ると、世界的に株式市場は調整局面を強めている。日米欧の株価
ばかりでなく、一時は大きな上昇パワーを示していたBRICsの株価も全体に横ばい
状態に入っている。株価が仮に「6カ月後の経済を見通す」存在であるとしたなら、
「先進国は停滞しているが、今の世界では途上国が成長力を発揮して世界経済を
牽引し、再び世界は成長軌道に乗れる」としてきた大方の見方は間違っていた
のだろうか。それとも、中国やインドやブラジルの株価の今までの上げが速すぎて、
今はスピード調整しているだけであり、再び今後、BRICsを中心に世界の株価が
力強い上げに転じるようになるのだろうか。

ロシアを除くBRICs諸国でのこれまでの株価上昇が、1)力強いこれら諸国の経済
成長、 2)先進諸国よりもスタート台が低い分から見込まれる成長ののりしろの
大きさ、3)国内に“膨大な人口”と呼ばれる大きな消費者層を抱える潜在的パワー、
4)先進国からの活発な資本・技術投入――などを見込んだ、先進国からの投資増大を
主要な背景とするものであることは明らかだが、今回の株価調整局面では次のような
ことも明らかになったと言える。それは、

1. BRICsなど途上国も、結局、輸出先は米国など先進国が中心であり、先進国の
  景気の悪さから隔絶・超絶した存在ではない

2. 中国を初めとするBRICs諸国は、「まだまだ伸びる内需」という大きなパワーを
  備え、あまり借金を積み重ねておらず今後借り入れ余力を残した膨大な消費者を
  抱えているものの、まだまだ所得水準の低さ故に内需は米国ほどには世界経済を
  牽引するパワーがない

3. BRICs諸国そのものが、格差の拡大、様々な国内政治圧力など、成長が一直線
  では進まない現実に直面している

という点だ。

■米国の消費鈍化が落とす影

米国の消費は、この世界最大の経済国のGDP(国内総生産)の7割を占める大きさ
だが、住宅バブルの崩壊による家計の高い債務比率故に、最近の統計を見ても消費は
力強さに欠ける。今後、住宅市場が一段と冷え込めば、一時は「世界経済」を牽引
していると言われた同国の消費も、横ばいか、せいぜい小さい伸びにとどまる危険性
がある。米国は今でも毎年250万人も人口が増える国で、その点は日本の例などを
引き合いに出せない面もあるが、大きなクラッシュの後に国民の消費行動が鈍くなる
こと自体は日本の過去とあまり変わらないと思われる。

※続く

◎ソース http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/78/index.shtml
2ライトスタッフ◎φ ★:2010/08/28(土) 14:26:55 ID:???
>>1の続き

最近の中国の統計で注目されたのは、中国の輸出の伸びが落ちてきている点だ。
その原因の1つは、言うまでもなく中国にとっての最大の輸出先である米国経済の
停滞である。中国にとって輸出は最大の成長の原動力であるから、高い成長を確保
しながら国内の不満を分散したい今の胡錦濤政権にはこれは痛手だ。中国は「人民元
の弾力化政策」で誘導していた元高・ドル安を、ここに来て再びドル高・元安の方向
に動かしている。中国は通貨バスケットで人民元の価値を決めるとしていて公表され
ていない側面もあるが、「輸出の伸びの鈍化」が同国の通貨政策の再見直しに繋がっ
ている可能性はある。対米輸出の維持は、中国ばかりでなくほかのBRICs諸国にとっ
ても同じ重要性を持つ。

中国などBRICs諸国の内需は強い。何よりも先進国と比べれば、これら諸国の消費者は
「買いたいもの」がたくさんある。家も、家の中も充実させたいだろう。彼らの消費
意欲をそいでいるものがあるとしたら、1)所得の絶対水準がまだかなり低い、
2)先進国が消費を伸ばすときに使った信用制度(お金を借りられる制度)がまだ
整っていない――ということだろう。一昨年行ったベトナムでは、高校を出て工場で
働いていた女子の大部分の月収が8000円ちょっとだった。これでは消費は伸びない。
であるが故に中国を含めて途上国では強い「賃金引き上げ願望」が労働者側にあり、
それが例えば中国などでは大きな労働争議の原因になっている。しかし一方で、
急激に労働賃金を上げれば当該国の輸出産業が競争力を失うという現実もある。

■途上国だけでは世界経済は浮上しない

BRICs諸国そのものが抱える「格差の拡大、様々な国内政治圧力」は、中国については
連続して見てきた。しかしそれは中国1人が抱える問題ではない。BRICsのどの諸国も、
そしてそれに続く諸国も抱えている。先進国が抱えていない深刻な宗教対立などを
抱えているインドなどもある。ブラジルは犯罪組織との戦いで忙しい。同国では有名
ホテルが一時、薬物がらみのギャング組織に占拠される問題も起きた。

この稿は先進国に関して述べるものではないが、BRICsとの大きな違いを1つ言うと
「debt- overhung」(のしかかる債務)の問題があると思う。米国では消費者が、
日本では政府が、そして欧州では一部加盟国の政府が過剰な借金を抱えていて、
信用制度の発達は良いことだが、それが利用され過ぎてかなり頭重い状態で経済活動
にのしかかってきている。これが経済活動全般を不活発にしている面がある。加えて、
経済という体に血液(マネー)を提供していた金融組織、またはその構成員に対して、
やり過ぎがあったので自業自得の面はあるが、米国におけるボルカールール論議や、 
欧州における銀行税議論、さらには銀行経営者課税などの動きがある。これらは
「人類は過去の過ちを学びつつある」と評価することもできるが、結果的にはマネーの
ベロシティ(流通速度)を落として、経済成長を少なくともゆっくりしたものにして
いると言える。それが良いことかどうかの哲学論争は別にして。

※続く
3ライトスタッフ◎φ ★:2010/08/28(土) 14:27:07 ID:???
>>2の続き

こうして見てくると、今の世界経済においてBRICsなど途上国が「新たな成長パワー」
としての役割を期待されていることは確かであるにしても、市場、資本、技術、人材
などを先進国にかなりの程度で依存している現状を見ると、「BRICsなど途上国だけで
世界経済を牽引できない」という現実が浮かび上がる。おそらく世界の株式市場は
その現実を改めて突きつけられて、半年前にあった楽観論を修正している過程だと
言える。

加えて今の世界には、一次産品は別にして資産価格に対するデフレ懸念が根強くある。
長くデフレに悩んでいる日本は当然だが、最近では米国でも「デフレの懸念」が大きく
なってきている。長短金利の大きな下落は、米国の中央銀行(米連邦準備理事会、FRB)
にしても、警戒感を持って見守っているのではないか。

BRICs諸国を再び世界経済の枠組みの中で考え直したときに、今までの楽観論が後退
して市場の不安が台頭してきた局面が今だと言える。

◎伊藤 洋一/住信基礎研究所主席研究員
4名刺は切らしておりまして:2010/08/28(土) 14:27:07 ID:C0NkR8FL
PIGS最高や!
5名前をあたえないでください::2010/08/28(土) 14:36:04 ID:NB8GCV61
BRICs諸国をメインに売り上げ伸ばしてるのにこんな記事載せて
ま、我が家緊縮で2年は様子見るべか。
6名刺は切らしておりまして:2010/08/28(土) 23:56:49 ID:jKXRP7W1
緊急!ラビ・バトラ博士近未来10の予測

◎予測1 原油価格は100ドルを超えて高騰し続ける
◎予測2 「サブプライム住宅ローン危機」は再三爆発する
◎予測3 2008年、米大統領選挙は民主党の勝利
◎予測4 アメリカの大企業の破綻が続発する
◎予測5 日本の好況は2008年半ばか末まで
◎予測6 2009年に、イランが新たな中東の火種となる
◎予測7 アメリカの資本主義は数年内に終焉する
◎予測8 2009年後半から2010年前半に世界的な重大危機
◎予測9 中国にも2010年に危機到来
◎予測10 日本で新たな経済システムの胎動が起こる

7名刺は切らしておりまして:2010/08/28(土) 23:59:32 ID:oX00M4HW
BRICsのなかでもRは産業構造が他の3カ国と全然違うし(ただの資源国で工業はさっぱり)、いらない子だと思う
8名刺は切らしておりまして
結局数年後には70億総負け組になるのか。