国内での製品需要が頭打ちとなり、過剰な生産設備の見直しが
課題となっている化学業界では、設備の統廃合などで合理化を進めて
国際競争力を強化しようという動きが加速しています。
このうち、化学大手の「三井化学」は、繊維大手の「帝人」と
飲料用のペットボトルの原料となる合成樹脂の事業を統合する
ことになりました。これは、海外から安い輸入品が流入している
ことや、コスト削減でペットボトルの厚さが薄くなっていることで、
合成樹脂の使用量が減少しているためで、今回の事業統合に伴って、
帝人は山口県周南市で行っている生産から撤退します。
また「旭化成」は、原料の原油価格の高止まりで採算性が悪化している
アンモニアやベンゼンの生産から撤退するほか、「三菱ケミカル
ホールディングス」と岡山県のコンビナートを共同で運営することで、
エチレンの生産能力を2年後までに30%程度削減する方針です。
化学業界では、国内需要が低迷する一方、世界的には中国や中東などで
大規模プラントが稼働するなど国際競争が激しさを増していて、
メーカー各社は過剰な国内設備の合理化を進める動きを加速させています。
◎ソース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100823/k10013500261000.html