名鉄観光サービス(名古屋市)は、羽田空港の国際化に合わせて、成田空港を含め東京を
発着する海外旅行の企画を手掛ける専門部署を新設する。海外旅行商品の販売態勢を強化し、
全国での顧客開拓につなげる。
9月21日に東京の関東営業本部内に「東京海外企画仕入れセンター」を開設。名古屋、
大阪で航空機の座席確保などを担当していた5人を配置する。航空会社との折衝や、北海道
や四国、九州から国内線を乗り継いで海外に向かうなどの新商品づくりを担う。
同社は、中部国際空港発着分については航空会社から直接座席を購入する態勢を備えてい
るが、成田や羽田、関西空港分はこれまで同業他社から買っていた。幅広い目的地や日程の
商品を拡充させることで、基盤とする中部地方以外でも顧客を掘り起こす考えだ。
羽田空港は新滑走路の完成により10月以降、国際線が一気に拡大する。同社の綛谷企史
(かせやひろし)海外旅行部長は「成田(を発着する航空機)の座席に余剰が出る想定も含
め、東京に“本格参入”する絶好の機会」と強調する。
将来、羽田に人気路線が集中することで、国際拠点空港である中部、関西をはじめ、地方
空港からの海外直行便が先細りする可能性もある。綛谷部長は「今後も中部空港を商品構成
の中心とすることに変わりはないが、早めに手を打っておくことも狙い」と話す。
(鈴木智重)
ソース:中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/news/CK2010081902000024.html