ソースは
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100813/mcb1008130504016-n1.htm [1/2]
かつて米投資銀行ベアー・スターンズで新興国部門を率いていた北京大学のマイケル・ペティス教授が、
中国の銀行預金金利の低下について講義していたとき、1人の学生が発言した。
この学生の話は、個人消費の拡大を目指す中国政府が直面する障害を物語るものだった。
◆利息収入20兆円減
同教授によると、学生は「自分のおばが息子を何年か後に大学に進学させようとしているが、
そのためには預金の利息が減った分を、限られた給料からひねり出さなければならない」と述べたという。
ペティス教授は「急増する地方債の負担を軽減するために中国政府が採用している低金利政策によって、
預金者は年間約1兆6000億元(約20兆円)の利息収入を失っている」と推定する。
利息の減少分を補って残高を増やすため、預金者は給与からさらに貯蓄にまわさなければならず、
その結果、輸出の伸びの鈍化に個人消費の拡大で対抗するという中国政府の試みは実現困難になる。
「個人消費は既に危険なほど低い水準にある。急速に拡大し始めない限り、個人消費の対国内総生産
(GDP)比率は引き続き低下し、中国は問題を抱えることとなるだろう」と、ペティス教授は指摘した。
仏ソシエテ・ジェネラルによると、中国政府が輸出と投資に重点を置く政策を採用した結果、
個人消費の対GDP比率は10年前の45%から35%と、主要国で最も低い水準まで低下したという。
ぺティス教授のほか、米エール大学の陳志武教授と米マサチューセッツ工科大学(MIT)の
黄亜生教授も中国の個人消費縮小を予想している。
陳教授は「中国の資産の70%は国が管理しているため、資産から生じる利益の大半は消費者には
回らない。中国の歳入は過去15年間で10倍以上に増加したが、都市部の可処分所得は3倍にも
なっていない」と指摘した。
ペティス教授は「預金金利の低下が個人消費を押し下げることにより、過去10年にわたって
平均10%だった中国の経済成長率が、2020年までに年率5〜7%まで鈍化する恐れがある」
とみている。
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◆輸出頼み摩擦再燃
20カ国・地域(G20)は中国に対し、欧米での個人消費減少を埋め合わせるため中国で個人消費を
拡大するよう要請してきた。
中国政府による4兆元規模の景気刺激策の効果が薄れ、中国における個人消費拡大が実現しなかった場合、
中国は経済成長を輸出に頼らざるを得なくなる。
黄教授は「そうなれば9.5%の失業率にあえぐ米国との間で貿易摩擦が再燃する恐れがある」とみている。
中国の1年間の実質預金金利は、09年6月には3.95%だったが、10年6月にはマイナス0.65%に
急落した。
ペティス教授の試算によると、家計の預金は約40兆元で、預金全体に占める割合は60%だという。
中国の6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇と、2年ぶりの高水準を記録。
これも、人々が消費を減らし貯蓄を増やそうとする動きに拍車を掛けている。
ソシエテ・ジェネラルのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、グレン・マグワイヤ氏(香港在勤)は
「中国経済は依然として、少し投資に偏った不均衡な状態にある。この不均衡は、個人消費が持続的に
固定資産投資よりも速いペースで増加するまで解消されないだろう」とみている。
黄教授は「中国が経済成長の軸足を消費に移しつつあるというのは妄言。全く信じられない。
GDP成長率を低下させないことが中国の主要な政治課題。それは引き続き投資を増加させることを意味する」
と指摘した。
(ブルームバーグ Kevin Hamlin)
-以上です-
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