真夏日が続き、エアコンやビールなどが好調な売れ行きを示す一方、清酒業や衣料品販売業、
一部のスーパーマーケットからは「残暑がどこまで長引くか心配」と“猛暑減需”を懸念する声が
上がり始めた。あまりの暑さで商品が売れない、秋以降の商戦にマイナス影響を及ぼすほか、
猛暑による野菜価格の高騰はスーパーなどの収益悪化につながる可能性もある。
「残暑が厳しいとカタログ販売の秋物衣料が売れなくなる」。
通信販売大手のニッセンホールディングスの石畑成人執行役員財務本部長は心配そうな表情で
こう話す。同社は猛暑で、ようやく夏物商品が売れ始めたところ。だが、8月下旬には秋号の
通販カタログを発送するため「盆明けには暑さが和らいでほしい」と願う。
大阪府や兵庫県で店舗を展開する関西スーパーマーケットでは、7月25日から1週間のキャベツの
平均価格が135円と、前年同期より28円高騰。
ホウレンソウも同約33円上がって約165円となった。猛暑で葉物野菜の値段が上がっており、
「残暑や台風を前にこんなに(価格が)乱れるようでは先々が不安」(広報担当者)と困惑気味だ。
全国に知られる兵庫県・灘地区の醸造元も渋い顔をみせる。猛暑で冷酒が伸びると思われがちだが、
菊正宗酒造によると「基本は気温が高いと逆風。こう暑いと、消費者はまずビールを頼んでしまう」
と嘆く。
客層の中心が中高年とみられる商店街も心配顔。天神橋三丁目商店街振興組合の土居年樹理事長は
「7月は天神祭もあり、飲食店はにぎわいましたが、猛暑が厳しい分、8月は売り上げが
落ちるのでは。早く秋風が吹いてほしい」と祈る。
一方、京都を代表する和菓子を扱う井筒八ッ橋本舗は「京都への観光客が減らないか心配。
残暑が厳しくならないようにしてほしい」と話す。
沖縄県浦添市のアイスクリーム販売のブルーシールは、今シーズンの売り上げは前年並みに
とどまっている。「暑すぎて、かき氷や清涼飲料水に流れているのでは」(広報担当者)と
厳しい表情をみせる。
岩井証券イワイ・リサーチセンターの有沢正一センター長は「夏暑く、冬寒いのが日本経済にとって
プラス。9月になっても残暑が厳しいと、秋冬物の出足が遅れる」と分析する。
りそな総合研究所の荒木秀之主任研究員は「所得が伸びない中での猛暑特需なので、その反動が
心配。いずれ消費は落ち込む」と警鐘を鳴らしている。
ソースは
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100804/biz1008041214009-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100804/biz1008041214009-n2.htm