東北が燃えるような夏を迎えている。梅雨明けから1週間、各地で連日、真夏日や猛暑日が記録されている。
待ちに待った夏全開に、暑さや日差しが頼みの海水浴場などは大忙し。あまりの高温続きとあって、
人だけでなく、野菜や動物には早くも夏バテの気配も見えている。
●困った
農畜産業の現場は、まさに「酷暑」の様相だ。
「露地栽培のレタスといった葉物は、葉先が火であぶったように枯れ、3割は出荷できない」と嘆くのは
仙台市若林区の農業関連会社「六郷アズーリファーム」。
全国的な品薄で高値で取引されているのが救いだが、小松菜や雪菜は芽が出ても枯れるケースも。
幼苗を中心に水やりは1日4、5回と、昨夏の2倍に増やしてしのいでいる。
約100頭の牛を飼う泉区の庄司牧場は「暑さで牛が餌を食べず、乳が出ない」と困り切る。
乳牛40頭がいる牛舎では、大型の扇風機14台が昼夜フル回転している。
行楽客が海に向かい、遊園地などからは恨み節も漏れる。
17日に夏季オープンしたスパリゾート施設「けんじワールド」(岩手県雫石町)は「通常より1割減。
海に人が流れているようだ」とみる。
遊園地の八木山ベニーランド(太白区)も「通常より2割ほど落ち込んでいる」という。
仙台市八木山動物公園は、入園者が通常の夏休みの半分ほど。飼育担当者は「目立った体調不良こそないが、
この暑さが続くと心配」と動物たちの健康状態にも気をもむ。ゾウなどにはスプリンクラーで水をかけ、
高齢の動物は強い日差しを避け、飼育舎に入れるようにしている。
●絶好調
水銀柱の上昇が、人出も押し上げているのは海水浴場。仙台市若林区の深沼海水浴場は17日の海開きから
22日までの来場者数が約9300人と、昨年同期の倍以上に達した。
海の家「浜っ子」のかき氷機はフル稼働状態。1日300杯以上が売れている。
経営する佐藤栄さん(77)は「売り上げは昨年の2、3割増し。昨年、一昨年は青空の少ない夏で
散々だった。このまま太陽が顔を出し続けてほしい」と書き入れ時の暑さを歓迎する。
浜辺は連日、家族連れや若者で大にぎわい。岩沼市の販売員斎藤あずささん(21)は
「今年は天気がいいので、海水浴はもう3回目」と夏を満喫している。
ビアガーデンも大盛況だ。「7月は前年同期の3割増」と藤崎(青葉区)の販売促進担当課長千葉拓さん(43)。
営業開始時間を1日から30分早めて午後4時半にしたのも効いた。「会社帰りの人たちの前に、
50〜60代の女性グループなどを取り込めた」と声も弾む。
ヨドバシカメラマルチメディア仙台(宮城野区)では扇風機が昨年の2倍、エアコンも3割増の勢いという。
熱中症対策や寝苦しさ解消を求め、ひんやりグッズの売れ行きも好調。仙台ロフト(青葉区)では、
水に浸すと冷たくなる特殊ジェルを使った「ネッククーラー」と呼ばれる首に巻くタイプが1番人気だ。
ソースは
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100725t75013.htm 高温続きの影響で水分を吸う力が弱まり、結球しないレタス。葉の先が枯れる被害も出始めている
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2010/20100725010jd.jpg 海の家では、かき氷の売れ行きが絶好調だ=仙台市若林区の深沼海水浴場
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2010/20100725011jd.jpg