カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングと東レは20日、来年から15年まで
5年間の戦略的な提携に合意したと発表した。
冬物下着の「ヒートテック」や夏物下着の「シルキードライ」などのヒット商品を共同開発した関係を
強化し、今年までの5年間の取引額約2400億円を、次の5年間で約1.7倍の約4000億円に
増やす計画だ。今年に入ってユニクロの既存店売上高は3、4月に前年同月比2ケタ減を記録したが、
東レと組んでアジアを中心に世界展開を進め、着実な成長を狙う。
「今後5年間で世界中で作って売る体制を作る。他社ができない製品を東レと一緒に作りたい」。
会見したファーストリテイリングの柳井正会長兼社長はこう強調した。
東レの日覚昭広社長は「世界的に見れば繊維は成長産業。日本企業連合で新たな成長モデルを作りたい」
と話した。
新たな提携では、アジアを「世界の成長センター」(柳井会長)と位置づけるユニクロの今後の
店舗展開に備え、東レがインドネシアやタイなどからベトナムの縫製工場に布地を運んで製品化し、
東南アジアで迅速に製造・販売できる体制を整備する。
また、東レはユニクロ向け新素材の研究開発を日本と中国で並行して進め、開発のスピードを加速
させる。
東レは今月8日、「第2の中国」(柳井会長)として成長が期待されるバングラデシュに、
ユニクロ向けに布地製造から縫製までする工場を新設しており、協業効果の追求に乗り出している。
ユニクロと東レの取引は、99年に東レがジャンパー向けの素材を供給したのが始まり。
東レは00年に社内にユニクロとの取引を扱う専門部署「GO推進室」を設置。
100人以上の担当者を置いてユニクロ向けの素材や製品開発を進めてきた。
また、ユニクロ社内にある「東レルーム」には東レ社員が常駐。発熱・保温機能を持った
「ヒートテック」(03年発売)や汗や湿気を吸収する「シルキードライ」(10年発売)などの
ヒット商品を共同開発してきた。
ファーストリテイリングは、20年に現在の7倍超の売上高5兆円を目指しており、
このうち中国を含むアジア地域では1.5兆〜2兆円を売り上げる計画。
国内では、多品種展開がつまずき、今年3〜5月期の既存店売上高は前年同期比7.9%減を
記録した。しかし、同社は国内戦略の失敗による成長の鈍化は一時的なものとみており、
東レとの関係強化をてこに、東南アジアや中国で「生活習慣や気候に応じた今までにない繊維を作る」
(柳井会長)ことで、成長軌道を確実なものにしたい考えだ。
ソースは
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20100720/20100721M20.090.html http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20100720/20100721M20.090.html?_p=2