[ブダペスト 19日 ロイター] ハンガリー国立銀行(中央銀行)は19日、定例の政策会合を開き、
政策金利を過去最低水準の5.25%に据え置くことを決定した。
ロイターが前週実施したアナリスト調査では、回答者25人全員が据え置きを予想していた。
一方、中銀は声明で「リスクプレミアムの上昇が続く場合、
中銀は政策金利を引き上げる必要が生じる可能性がある」とし、
ハンガリーフォリント相場の急激な変動を抑制するために、必要ならば利上げも辞さない構えを示した。
シモール中銀総裁は記者会見で「(金利据え置きは)唯一の選択肢だった。
政策委員会は全会一致で据え置きを決定した」と述べた。
また物価情勢については、政策委員会はインフレのトレンドを基本的にポジティブに捉えていると発言。ただ
「フォリント相場は現在、中銀が前回のインフレ報告を公表した時点よりも大幅に下落している。
これは(ハンガリーの)インフレに大きなリスクをもたらす可能性がある」と述べた。
国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)がハンガリー政府に対し、
財政赤字削減目標達成に向け一段と厳しい措置を導入するよう求めるなか、
緊急融資をめぐる両者の協議は17日に中断。19日の外国為替市場では、
終盤の取引でハンガリーフォリントが対ユーロで291.60フォリントと、3.3%を超えて下落した。
中銀は声明で、IMFとEUによる協議中断について遺憾の意を表明。
財政緊縮化を継続するとのハンガリー政府の確約は保証できるものであるとした。
ただ、財政赤字削減と同時に成長を促進する両にらみの政策が必要との立場を示した。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-16343720100719