住友大阪セメントは、コンクリートの乾燥収縮ひずみを推定できる「簡易乾燥収縮測定キット」を開発した。
持ち運びが可能で、3本の供試体(直径100ミリ、高さ200ミリ)を調湿槽に入れ、専用機器でひずみを自動で計測。
28日間に得たデータを基に乾燥182日のひずみを高い精度で推定できる。
乾燥収縮をめぐる試験は外注されるケースが多いものの、コンクリートの品質を左右するだけに、生産者自身による試験の
必要性が高まっており、同社はキットの性能を生コン工場などに積極的にPRする。
キットは、簡易型の調湿槽と、ひずみを自動計測する「データロガー」で構成。
ゲージを埋め込んだ供試体を調湿槽に入れ、温度20±2度、湿度60±5%の条件下で乾燥させる。
ひずみは28日間以上自動計測し、結果から182日間のひずみを予測する。
同社が行った実験によると、キットの計測結果は、JIS法に基づく試験結果と良好な相関関係が出たという。
コンクリートの乾燥収縮試験は、JISに基づく変化測定が特定の温度・湿度条件下で行われている。
実施には温度や湿度を一定に保つ大規模な空調設備などが必要なため、生コン工場は試験を専用機関に外注している。
ただコンクリートの品質は、建物の強度や耐久性に直結するため、乾燥収縮のレベルに注目するゼネコンなどが増加。
生産者も試験の実施体制を構築するのが望ましいとされている。
キットはモニター工場で既に運用されており、同社は自主的試験の必要性が高まっていることを追い風に、キットの性能を
広くアピールしていく方針だ。
▽ソース:日刊建設工業新聞 (2010/07/15)
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=201007150201001