7月14日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)が14日公表した連邦公開市場委員会
(FOMC、6月22 −23日開催)の議事録によると、FOMCメンバーは、追加の景気刺激策を
実施する必要性はないとの認識を示す一方で、経済見通しを引き下げたほか、景気回復へのリスクが
高まったことを指摘した。さらに少数ながら一部メンバーはデフレリスクを指摘した。
議事録では、「メンバーは、FOMCが異例な金融緩和策の時期から抜け出すための手段を生み出し、
検証し続けることに加え、見通しが目に見えて悪化した場合に追加の刺激策が適切かどうかを検討する
必要があるとの認識を示した」と記された。
議事録では、「経済見通しはやや軟化し、多くのメンバーが景気見通しへのリスクについて
下振れ方向に転じたとみている」とした上で、
「見通しの変更は相対的に小幅で、すでに実施済みの政策を上回る緩和措置の実行を正当化するもの
ではないと認識されている」と記した。
今回の議事録では、FOMCメンバーが高水準にとどまっている失業やインフレ率の一段の低下リスクについて懸念していることを示唆している。議事録は、見通しが悪化した場合は、FOMCは追加の緩和策が適切かどうかを検討する必要があると指摘した。
また、「メンバーは雇用のペースについて、しばらくはゆっくりした状況が続くと予想した」とし、
「失業率については、数年間は長期的に持続可能な水準を著しく上回る状態が続くとの見通しを
示した。またメンバーは、多くの労働者について失業期間が長期化していることに懸念を表明した」
と続けた。
■経済予測
今回の議事録では、2010年第4四半期の経済成長率の予想(メンバーの中央値)を
前年同期比3−3.5%とし、4月時点の予想(3.2−3.7%)から引き下げた。
また個人消費支出(PCE)価格指数で見た今年第4四半期のインフレ率見通しについても
前年同期比1−1.1%と、4月時点の予想1.2−1.5%から下方修正した。
失業率の予想は今年第4四半期平均が9.2−9.5%(4月時点では9.1 −9.5%)と、やや引き上げられた。
2011年は8.3−8.7%と、前回の8.1−8.5%を0.2ポイント上回った。
■MBS売却
このほかメンバーは、FRBが保有する1兆ドルを超える住宅ローン担保証券(MBS)の
段階的な売却を、ある時点で実行すべきだという意見であらためて一致した。
議事録では、「大半のメンバーは、しばらくは資産売却を延期することが適切だと引き続き判断した」
とした上で、「一部のメンバーは、前回のFOMC会合以降に経済見通しが若干悪化したことも
資産売却の延期を支持する理由に挙げた」と記された。
ソースは
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aIZotQuFXWhI