フジタは、コンクリート充填鋼管(CFT)柱の施工管理に用いる可視化システムを開発し、東京都内で施工中のビル新築工事に
適用した。
CCDカメラとレーザー距離計を組み合わせた装置でコンクリートの圧入速度や充填状況をリアルタイムに監視、施工品質の確保につなげる。
インターネットを活用し、現場事務所や本社などでも作業状況を把握することができる。
開発した「CFT充填管理システム」は、CCDカメラとレーザー距離計を一体化した治具、管理データを把握するためのモニター、ウェブカメラ
などで構成する。
鋼管にコンクリートを充てんする際、治具を鋼管のコンクリート圧入口あるいは頭頂部に設置、CCDカメラとレーザー距離計をつり下げて
作業を監視する。
コンクリート圧入速度や鋼管内の充てん状況は管理モニターに表示され、圧入速度に問題がないか、鋼管に空隙はないかなどをリアルタイム
で確認する。ウェブカメラは1階に設置し、コンクリート輸送車の荷下ろし状況などを監視する。
同社はこれまで、CFT柱の施工でコンクリート輸送車の荷下ろし場や鋼管の頭頂部、中間階などに複数の人員を配し、充てん作業を行ってきた。
コンクリート圧入速度を現場の技術者が手作業で計算して確認するなど、施工管理に手間と時間をかけていた。
同システムの開発によって、品質管理の確実性が向上するとともに、管理要員の削減などが図れるという。
同システムを採用した現場は、東京都台東区で施工中の「(仮称)東上野4丁目計画新築工事」。東京開発K特定目的会社、東京建物、伊藤忠
都市開発の3社が発注し、フジタの設計・施工で工事が進んでいる。
S一部CFT造地下1階地上18階建て延べ2万3926平方メートルの規模で、高さ約78メートルのCFT柱を23本構築した。
フジタは、今回の工事における高強度コンクリート充てんの施工実績、施工管理体制などについて、新都市ハウジング協会にCFT造施工技術の
判定を依頼。3月10日付で最高ランクのSAと認定された。
今後は、CFT柱の採用件数が増加している事務所ビルや庁舎などの受注に向け、営業活動を強化する方針だ。
▽ソース:日刊建設工業新聞 (2010/06/21)
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=201006210201001