筑波大学と日本の企業40社以上が結集して微細藻類を利用するバイオ燃料生産実用化を
目指す「藻類産業創成コンソーシアム」が18日、発足した。温室効果ガス削減が急務となっ
ている中で、産学共同で環境に優しい燃料の開発を目指す試みに内外の注目が集まりそうだ。
発表文書によると、筑波大学の渡邉信教授が率いるコンソーシアムには、トヨタ自動車
傘下の豊田中央研究所、デンソー、出光興産、キッコーマンなどの国内企業のほか、個人も
参加する。
コンソーシアムの目的は、藻類を用いた技術力の向上、情報の収集、共有、日本の藻類
研究の国際拠点とすることなどを掲げている。
石油メジャーのエクソンモービル、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどが自動車、飛行機
、暖房燃料としての藻類への関心を高めている。エクソンモービルは昨年7月、バイオテク
ノロジー企業のシンセティック・ジェノミクスと共同で微細藻類由来のバイオ燃料生産に
6億ドル(550億円)を投資すると発表した。
日本では出光が1980−90年代にかけて、淡水に生息する微細藻類「ボトリオコッカス」を
利用したバイオ燃料生産の研究に取り組んだが、事業の採算性に合わず撤退した。旧通産省
(現経産省)傘下の地球環境産業技術研究機構なども90年度から10年間、計約122億円を投
じて藻類の研究を進めたが、コストがネックとなり結局実現には至らなかった。それが地球
温暖化対策の必要性が高まり、20年ぶりに復活した形だ。
みずほ証券のエネルギー担当アナリスト、塩田英俊氏は「藻類バイオ燃料の生産手法・
覇権をめぐる競争は今後、国家間で激化する可能性がある。日本がこの波に着実に乗るため
には、政府の強いリーダーシップが必要になるだろう」と、菅直人新内閣のエネルギー政策
に注目する。
ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスの調査によると、世界全体で75社以上が
藻類の研究を進めている。同社が2月にまとめた報告書によると、工場などが排出する二酸
化炭素(CO2)を回収し、藻類の培養装置に送り込んで燃料生成を加速させることも可能
だという。
取材協力:岡田雄至--Editor:Takeshi Awaji, Norihiko Kosaka
ソース:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=ac5iK3KNwDL0 関連スレ
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