投資先として最高級ワインを試してみてはどうだろう。ワインのリターン(投資収益率)
は米株式指数のラッセル3000種指数を上回り、2度のリセッション(景気後退)中も持ち
こたえたことが、スイスを拠点とするエコノミストの調査で明らかになった。
このような結論に達したのは、フィリップ・マセットとジャンフィリップ・ワイスコップ
の両氏。ワイン価格とラッセル3000種指数の1996年1月−2009年1月の推移を比較した。
この13年間に定期的に取引されたワインの価格40万件以上を調査。一般的なワインの指数
と、高級ビンテージワインの指数を構築した。この13年間に株式市場では2度の強気相場
と2度の弱気相場があった。マセット氏はローザンヌホテル学校の教授で、ワイスコップ氏
はフリブール大学の研究者。
ニューヨークのレストラン、「コルトン」や「ノブ」、「トライベッカ・グリル」のオー
ナーであるドルー・ニーポレント氏は「わたしのワインセラーの価値は恐らく、これまで
個人的に行ったどの投資先よりも上昇しているだろう。素晴らしいワインは非常に少ない。
どこでも手に入るわけではない」と語る。トライベッカ・グリルは、ワイン専門のワイン・
スペクテーター誌で2009年の「グランド・アウォード」を受賞した。
ミラー・タバク(ニューヨーク)の株式ストラテジスト、ピーター・ブックバー氏による
と、投資家がインフレヘッジ手段や、株式や債券、金など従来の資産保有手段以外の資産
区分を必要とするなか、ワインや美術品などの代替投資需要はここ数十年、拡大している。
ブックバー氏は「現物資産の需要だ。金や原油の価格が上昇しているのと同じ理由だ」と
指摘した。
「ワイン投資と金融危機」
マセット氏とワイスコップ氏は指数を構築するため、計144件、総額2億3700万ドル(約
220億円)に上るオークションの価格を採用。1981−2005年のビンテージワインを利用した。
両氏は、調査リポート「乾杯しよう−ワイン投資と金融危機」の中で「われわれの分析に
より、特に高級ワインをポートフォリオに組み込むことで、そのポートフォリオのリターン
が上昇する一方、特に金融危機の際にリスクは低下することが分かった」としている。
ソース:Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920016&sid=aZqAz0RXOGmI