サンチェス米商務次官(国際通商担当)は7日、向こう5年間で輸出を倍増する取り組みの
一環として、中国・インド・ブラジルなどの新興国に米製品の輸入拡大を促していく方針を
明らかにした。
商務次官は記者団に対し、世界の消費者の95%は米国外に存在するとして「そこにマネー
があり、そこに注力していく必要がある」と指摘した。
オバマ米大統領は一般教書演説で輸出倍増の計画を掲げており、目標達成に向け閣僚レベル
の作業部会を立ち上げた。計画では、輸出業者に対する支援拡大や、相手国が市場開放義務を
確実に履行するための取り組み強化が盛り込まれている。
3月29日に就任したばかりの同次官は、5月にブラジル・中国、6月にはインド・サウジ
アラビア、その後カナダ・メキシコを訪問する計画を明らかにした。
中国訪問は、ロック商務長官が中心となって進めているクリーンエネルギー貿易推進計画の
一環で、北京で開催される今年の「米中戦略・経済対話」と同時期に行われる。
商務次官は、人民元相場や他の通商問題を抱える中国に対して「明確かつ積極的に」問題
解決にあたるよう求めるとしたが、米中貿易を損なうようなやり方はしないと言明。「米中
2カ国は、慎重に通商関係を維持しなければならない。非生産的な方法で通商摩擦を悪化させ
るのは、両国の利益にならない」と述べた。
商務次官は、中小輸出業者に対する支援拡大に向けて関係当局などと連携していく方針を
表明するとともに、ボーイング(BA.N: 株価, 企業情報, レポート)などの大企業に対しても、
海外での大型受注獲得を政府が後押ししていく考えを示した。
ソース:Reuters
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS862905020100408