清水建設(本社・東京都港区、宮本洋一社長)は、原子力発電所を解体する時、原子炉を
囲う建屋に含まれるコンクリートの廃材から放射性物質を分離し、放射性廃棄物の量を約100
分の1にする技術を開発した、と発表した。
原子炉を囲うコンクリートは、内部に含まれるコバルトなどの金属が放射線を出す性質に
変化しているため、廃材は低レベルの放射性廃棄物として埋め立て処分しなければならない。
同社は、コンクリートを砕いて硝酸に1日浸し、放射線を出す金属を溶かして分離、取り出す
ことに成功した。
建屋のコンクリート1000キロ・グラムを処理する場合、この技術を使えば、放射性
廃棄物はコバルトなど7・4キロ・グラムで済み、かさは通常の100分の1になる。砂利な
ど骨材760キロ・グラムと、セメント140キロ・グラムは、建設資材として再利用できる
という。同社は「5年をめどに、実用化したい」と話している。
国内の原発は、日本最初の商業炉である東海発電所(茨城県東海村)が解体中。最も古い
原発が運転40年を超えるなど高齢化が進み、今後、本格的な廃炉時代を迎える。
ソース:YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100324-OYT1T00525.htm