自殺者は日米経済戦争の戦死者だ
『月刊日本』2010年1月号 羅針盤
ただし私は以前から、安保条約のおかげで日本の経済が助かってきた、という説明には本当
なのかと疑念を抱いてきた。経済成長期に、安保のおかげで経済に集中できたとされるが、
例えば中共では、急速な経済成長と軍備の大拡張とは、立派に両立してきた。更に言えば、
通説とは全く逆に、安保条約のために、日本の経済が甚大な被害を受けた側面があるのでは
ないか。それは日本の経済が成長するにつれて、アメリカが警戒するようになったことである。
一般にソ連の崩壊によって、アメリカの警戒対象が、ソ連の軍備から日本の経済に移ったとされる
が、それ以前から日米経済摩擦は存在した。経済における対日攻撃は、プラザ合意、構造協議、
年次改革要望書などと続き、小泉改革にまで至る。
問題はその攻撃に対して、日本の政治家も官僚も、たいした抵抗もできずに屈服してしまった
ことである。この戦後の経済的敗戦を、「第二の敗戦」と言っているが、第一の敗戦と大きく違う
のは、戦わずして負けたということである。ではなぜだらしなく屈服してしまったかと言えば、それは
国防をアメリカに完全に依存した、アメリカの保護国であるからに他ならない。つまり日米安保が
あったために、日本は甚大な被害を蒙って、経済的に敗北したと言うことになる。それが「失われた
十年」どころか二十年であり、この間GDP は殆ど伸びず、一人当たりGDPで見れば、世界三位から
一挙に二十位近くに急落した。
つまり不況の自殺者とは、端的に言って日米経済戦争における戦死者なのである。大雑把に
計算すれば、毎年約一万人として、すでに十二万人になっている。これは日露戦争の戦死者、
数万人の二倍の数字である。日本の政治家も官僚も、日本の国家権力を握っている人間どもは、
日本国民の財産どころか生命すら守っていない。すなわち日本の安全を守るため、日本人の生命
を守るための日米安保条約が、実際には日本人の大量の生命を奪っているのである。これほど
愚かしい話は、世界の歴史上にも滅多にないであろう。
日本は日米安保条約を終了して、軍事的にも自分自身の足で立つべきである。先述したように、
その費用は大してかからない。「今や平和な欧州」ですら出している程度の額なのである。民主党
政権は、子供手当てに大金を投入しようとしているのであり、日本の真の独立のためなら、なんでも
ない金額ではないか。
http://sakainobuhiko.com/2009/12/post-65.html 月刊テーミス 2010年2月号
<経済>デフレ放置の恐怖‐国の経済と生活が破綻するとき
10年以上続くデフレ。同時期に激増した自殺者数は、WHO基準でみると年間10万人を超える。
デフレの原因は、米国が日本に要望を突きつける「対日改革案」だとの分析もあるが、日銀、
政府は無策なままで…。
http://www.e-themis.net/new/index.php では在日米軍に頼らず、防衛を自国だけで行うとどうなるか。防衛省幹部は
「少なくともGDP比3%は必要ではないか」という。単純計算しても15兆円規模になる。
だが、政府・与党内からは防衛費増額の声など出たことはない。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100303/plc1003030737002-n2.htm 3%程度で足りるなら、日米安保廃棄は十分選択肢になる。