ポーランドで国有企業の民営化や合併が加速していることを背景に、金融機関は政府や民間セクターからより多くの
ビジネスを獲得しようと、首都ワルシャワで オフィスを開設したり、スタッフを増員したりしている。
ポーランド財務省は2010年に少なくとも250億ズロチ(約7955億円)の調達を目標とする民営化計画を実行している。
同国がここ20年にわたって急激に成長しており、比較的経済的回復力があることから、民営化が落ち着けば、家族経営の
企業に関する中規模の案件が入り込むようになるだろうと金融機関はみている。
今年2月にワルシャワにオフィスを開設した欧州のプライベート・エクイティー、モンタギューの投資ディレクターを務める
Michal Chalaczkiewicz氏は、多くのポーランドの企業が過去20年にわたって目覚ましい成長を遂げてきたことを考慮すると
質の良い買収候補がかなりあると指摘した。
一方、クレディ・スイス・グループはワルシャワに証券部門を再度設立し、ポーランド企業の調査対象を拡大し
同国南西部のブロツラフのサポートサービスセンターのスタッフを2倍に増やしたほか、プライベートバンクも設立した。
ポーランドでは01年の米国の同時多発テロ後に新興国への投資が引き揚げられた際に経済が著しく減速したため
同社は同国での業務を縮小していた。
クレディ・スイスのポーランド部門の最高経営責任者(CEO)であり、中・東欧部門の会長でもあるMarek Gul氏は
「この拡大はポーランドが経済面で中欧の中で最も重要な国であることの裏付けだ」と述べた。
同氏によると、ポーランド財務省は金融機関に対し、大型の案件を引き受けたいのであれば、ポーランドへの
「強いコミットメント」を示すことが必要で、これは小さな拠点や仮のオフィスを構えるのではなく実際に強いプレゼンスを
示すことを意味するとはっきり述べているという。
金融機関の関係筋によると、英バークレイズや米JPモルガン・チェースなどの大手金融機関はプレゼンスを保つため
ポーランドに少人数のチームを維持している。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの広報担当者は1996年にポーランドに
オフィスを開設していると述べたが、現在と今後の人員についてはコメントを控えた。バークレイズとJPモルガンの
コメントも得られていない。
▽ソース:ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (2010/03/11)
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_40761