サッポロホールディングスの筆頭株主である米系投資ファンドのスティール・パート
ナーズ・ジャパンは8日、サッポロの村上隆男社長らの退任を求める株主提案への
賛同を得るため、委任状勧誘に乗り出したと発表した。
一方、サッポロは同日、スティールへの対抗を表明し、3月30日の株主総会に向け、
委任状争奪戦に突入することになった。
スティールは1月、業績低迷を理由に取締役10人のうち6人を退任させ、新たに
内藤由治・元ポッカコーポレーション社長らを取締役に選ぶよう株主提案を行っている。
提案への賛同を得るため、3月6日付でサッポロの議決権を持つ法人や個人など
全約2万7000の株主に委任状を求める資料を送付した。
これに対し、サッポロは8日、スティールに対抗して村上社長らの再任を求め、
大株主に限り委任状勧誘を始める方針を表明し、可決に必要な過半数の確保を目指す
考えだ。
スティールは現在、サッポロ株の約18%を保有している。これまでの株主総会でも、
07年にサッポロが提案した買収防衛策を巡り委任状争奪戦に発展したが、会社側が
勝利。09年はスティールはサッポロの取締役選任案に反対したが、会社側が約75%
の賛成で可決した。外国人株主比率も約32%にとどまっており、過半数の賛同を得る
のは難しいと見られる。
劣勢が見込まれる中で、スティールが委任状勧誘に踏み切った背景には、サッポロとの
交渉の行き詰まりがある。昨年5月には、約27%を出資するアデランスホールディン
グスの株主総会で委任状争奪戦を繰り広げ、経営陣を一新させた実績があるだけに、
サッポロでも、取締役を交代させ、交渉を進める突破口としたい考えとみられる。
国内の委任状争奪戦は、会社側の提案が可決するケースがほとんどだ。背景には
「委任状争奪戦では、株主提案を行った株主以外にはメリットが少なく、賛同を得る
のは難しい」(大和総研の鈴木裕氏)という事情がある。ビール類出荷量シェア
(占有率)で4位に転落するなど、業績が低迷しているサッポロに対し、個人株主が
どのような評価を下すかが、勝敗を左右するとみられる。
◎スティール・パートナーズ・ジャパンのリリース
http://www.spjsf.jp/pdf/100308-sapporo_j.pdf ◎サッポロホールディングス(2501)
SPJSFの株主提案に反対する当社の考え方について
http://www.sapporoholdings.jp/CGI/newsrelease/detail/00000055/ ◎ソース
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100308-OYT1T01019.htm 【ビール】筆頭株主の投資ファンドが役員退任を株主提案→サッポロは拒否
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1267802238/