新型インフルエンザの流行をきっかけに、ホームページ(HP)を外国語に自動翻訳する
システムを取り入れる自治体が急増している。日本人だけなく、在住外国人に緊急情報を
即座に提供することが求められたためで、HPの国際化が進行している。
HPの翻訳システムを手がける大阪市阿倍野区のソフトウエア開発会社「高電社」は、
平成18年から英語、韓国語、中国語の翻訳サービスを開始し、昨年12月に欧州5言語
を加えた。
同社によると、昨年5月に新型インフルエンザの国内感染が確認されて以来、自治体から
問い合わせが相次ぎ、同年6月以降、15市区(東京区部含む)が導入。新年度となる
今年4月からは、約100の自治体が新たに導入を検討しているという。
自治体のHPには外国語翻訳のリンクが張られていても、あらかじめ翻訳された文章
だけで、新型インフルエンザなど日々更新する情報に対応できていないところが多かった。
これに対し、同社のサービスは、無料ソフトに比べ翻訳の精度が高いうえ、ホストコン
ピューター内のソフトと自治体のHPを結んで日々更新される情報を即座に訳出。経費も
初期費用を除けば1カ月あたり数万円程度とあって、人気を呼んでいるとみられる。
大阪府寝屋川市は昨年10月29日から同社の翻訳サービスを導入した。市内には
約2800人の外国人が暮らしており、市の担当者は「新型インフルエンザのワクチン
接種情報などのほか、イベントや市民相談などの詳細な内容が翻訳できるようになった」
と喜ぶ。
また2年前からサービスを行っている埼玉県越谷市では、翻訳ページのアクセス数は
1カ月平均約2千。外国人登録者数は中国や韓国・朝鮮、フィリピンなど約4800人おり、
「新型インフルエンザもあわてずに対処できた。外国語の情報を必要としている人は
確実にいる」と反響を実感している。
同様の翻訳サービスは、東京都千代田区の「クロスランゲージ」も19年から8言語で
始めている。同社によると、昨年取り入れたのは東日本と九州の11市区町。さらに
新年度には約40の自治体が導入を検討しているという。
◎高電社
http://www.kodensha.jp/ ◎クロスランゲージ
http://www.crosslanguage.co.jp/ ◎ソース
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100306/lcl1003062138006-n1.htm