清水建設、竹中工務店/高耐火コンクリ、80Nと100Nの実施許諾へ
清水建設と竹中工務店は19日、両社が00年に共同開発した「高耐火(AFR)コンクリート」(AFR)について、建設会社、生コン会社、
PC部材製作会社などに対し、実施権の許諾を開始すると発表した。AFRは、コンクリートそのものの耐火性能が高く、耐火被覆が不要で、
工期とコストを短縮できるほか、室内空間を広げられるメリットがある。許諾の対象は1平方ミリメートル当たりの設計基準強度が
80ニュートン(N)と、100N。許諾料は1立方メートル当たり1000円の予定だ。
AFRは、合成繊維を混入した超高強度コンクリート。火災が発生した際には、合成繊維が溶融・焼失し、コンクリート内部に微細な
空洞ができる。高熱によって内部の水分が気化・膨張しても、逃げ道が確保されるため、コンクリートの表層のはく離・飛散を防止できる。
特別な製造設備は不要。耐火性能については、日本建築総合試験所から技術証明を取得している。
許諾の条件は、希望者が製造・施工する高強度コンクリート(設計基準強度80N/平方ミリメートル)に関し、建築基準法37条に基づく
建築材料としての大臣認定か、プレハブ建築協会のPC部材品質認定制度で高強度コンクリート使用部材(同)の認定を取得している場合。
JVは、スポンサー企業が条件を満たす必要がある。
通常超高層マンションなどの低層部には、1平方ミリメートル当たりの設計基準強度が80N以上の超高強度コンクリートが使われる。
ただ、密度が高いため、火災時の気化・膨張への対応として耐火被覆をはじめとしたはく離・飛散対策が必要となる。
AFRは耐火被覆が不要で、多くの建設会社などが実施権の許諾を求めており、両社は協議の結果、汎用性の高い80Nと100Nの
許諾に踏み切ることにした。
ソース::日刊建設工業新聞
http://www.decn.co.jp/decn/modules/dailynews/news.php/?storyid=201002220201001