工場や住宅の混在が進む戸田市で、地元住民に事業の中身を知ってもらいお互いの
理解を深めようと、会社の入り口にアルミ製プレートを掲げる事業が始まった。
既に三十八社がプレートを掲示。市は各社の所在地を示す地図や事業内容を紹介する
ホームページの準備も進め、地域の構成メンバーとしての絆(きずな)を育てたい
考えだ。
同市は印刷関連事業が三割を占める“印刷の街”。都心などへのアクセスの良さで、
最近は流通業も多く進出している。一方でマンションや新築住宅も増加。同市の担当者
によると、トラックの出入りなどによる交通安全確保など、事業所と住宅の混在による
課題も出ている。「隣の工場が何をしているのか分からないのでは、お互いの理解も
進まない」として、本年度から「工業見える化事業」と銘打って、事業内容が市民に
一目で分かるプレート設置を始めた。
プレートは縦五十七センチ、横五十四センチ。製造業が青い文字で「匠(たくみ)」、
非製造業は緑色で「誇」とデザイン。事業所名や内容、設立年月日のほか地元住民の
生活や経済とのつながりを示す説明文などをも添えた。
例えば、ある印刷会社のプレートは「雑誌や参考書など身近な印刷物を製造しています」
と生活に役立つ仕事とアピール。「正しい情報を正確に再現し、より早く伝達して
生活や文化の向上に貢献しています」と事業の意義を示したり、「お子さまの工場
見学歓迎」などと市民へのメッセージも発信している。
同市は会社概要作成講習会も開き、事業者側の情報発信を支援。新年度も事業を続ける
方針だ。「誇」プレートを掲げた運送業・介護事業「セイリョウ」(同市笹目)の
小林良子社長は「地域に密着し、誇れる仕事をするという社員の意識改革につながった」
と成果を話している。
●製造業が掲げる「匠」プレート
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20100207/images/PK2010020702100042_size0.jpg ◎ソース
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20100207/CK2010020702000130.html